ついに大好きな東京女子の頂点に立った。プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合は挑戦者・渡辺未詩が、4度目の防衛を狙った王者山下実優を破り、新王者に輝いた。

3カウントを奪った瞬間、山下とともにリングに倒れ込んだ。その後ようやく立ち上がり、初めてもらうベルトを何度もお辞儀して受け取った。レフェリーから勝ち名乗りを受けると、ようやく笑顔になり「山下さんに勝ってこのベルトを取りました。東京女子が大好きでたまらなくて、この空間が本当に幸せです」とファンに向かって叫んだ。

「実力差がある」と感じていた山下に真っ向から立ち向かった。力をためて右腕を山下の顔面に向けて振り抜いた。さらにジャイアントスイングで王者を10回振り回した。それでも流れは引き寄せることができず、強烈な回し蹴りを受けてダウン。それでもわずかに残っていた力で、山下の必殺技「Skull Kick」からの素早い押さえ込みを初めて返し、逆転のティアドロップにつないだ。「これまでは気持ちの面では超えられていなかった。絶対に山下さんに目を背けないようにした」と目を細めた。

6年前に東京女子に入門、何も知らなかった自分に周りの先輩たちが優しく指導してくれたおかげで、東京女子が大好きになった。この日、プリンセスタッグは鈴芽、遠藤有栖が初戴冠。インターナショナル・プリンセスの荒井優希に渡辺と、現在の東京女子のベルトは山下ら初期メンバーから若い世代が担うこととなった。「まだまだ未熟な王者。これからもっといろんな夢をかなえたい」。新王者が東京女子をまた新しい色に染める。