元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏(80)の孫となる磯谷大心(22=輪島功一スポーツ)がA級(8回戦)昇格を決めた。

22年11月に東日本同級新人王決勝で敗れている同年全日本同級新人王松野晃汰(22=神奈川渥美)と同級6回戦で激突。2度のダウンを奪い、3-0の判定勝利。約1年5カ月ぶりの再戦でリベンジを達成した。これでB級(6回戦)2連勝でA級昇格条件を満たした。

宮崎・日章学園時代に国体ミドル級優勝を果たしている松野に対し、2回に右強打でダウンを奪取。4回には左フックでダウンを追加し、主導権を握った。最終6回に偶然のバッティングで左目上をカットし、松野の反撃を浴びながらも最後の競り勝った。埼玉・正智深谷高時代はサッカー部でGKだった磯谷はたたき上げ。「(1度目ダウン奪取の)右ストレートは練習していたもの。2度目は狙っていない。気づいたら当たっていた。やっとリベンジできました。松野くんのレベルまでこれました」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

これでA級ボクサーの仲間入りを果たす。8回戦以上をファイトできるスタミナ作りを始める。父和広トレーナーは「最終ラウンドが中途半端になったので(100点満点で)50点。これから8ラウンドを戦える練習をしていきたい」と課題を挙げた。磯谷は「判定勝ちでもうれしい。やっと強い相手に勝てた。自信になりました」と喜んでいた。【藤中栄二】