プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)に「朗報」が届いた。井上が5月6日、東京ドームでWBC世界同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)との防衛戦(WBA、IBFは初、WBC、WBOは2度目)に臨むが、同興行の第1試合に元IBF世界同級王者で現WBOアジア・パシフィック同級王者のTJ・ドヘニー(37=アイルランド)がプロ戦績7勝(2KO)1分けのブリル・バヨゴス(フィリピン)と同級8回戦に臨むことが10日、決まった。

ネリは18年3月、山中慎介との再戦を控えた前日計量で大幅な体重超過で王座剥奪された過去がある。大橋ジムの大橋秀行会長(59)は「ネリ選手のリザーブとして試合を組んだ。ドヘニーにも通達済みで、少しでもネリが体重オーバーしたら井上尚弥-ドヘニー戦になる」と説明した。ドヘニーは18年8月に岩佐亮佑(セレス)に判定勝ちしてIBF世界同級王座を獲得。現在、同級でWBO3位を筆頭にWBC11位、IBF7位と3団体で世界ランキング入りしており、挑戦者としては申し分ない。

特に今回は元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の防衛戦以来、約34年ぶりとなる東京ドームのボクシング興行で、井上は日本人初のメインイベンターを務める。31歳の誕生日となった10日、横浜市内の所属ジムで公開練習に臨んだ井上は「日本では珍しいのかもしれないが、海外の試合ではよくあること。それにも対応していきたい」と口した。

近年、国内開催の世界戦でも体重超過や体調不良による挑戦者変更が増加。昨年10月に行われた重岡兄弟によるミニマム級ダブル世界戦を開催した際も、リザーブ選手を用意。第1試合でアルアル・アンダレス(フィリピン)-ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)の同級世界ランカー対決が組まれていた。