プロボクシング元世界2階級制覇王者でWBC世界同級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)が5月6日、東京ドームで挑戦する4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)について米メディアの取材に応じた。9日(日本時間10日)の米専門メディア「ボクシング・シーン」によるインタビューで、ネリは「井上は非常に優れたファイターで、これは私のキャリアの中で最大の試合だ。4つのタイトルが懸かっている」と意気込みを示した。

冒頭で井上の実力を認めていたものの、スペイン語の通訳を介したというその後の発言で「彼の試合を見てきたが、彼は過大評価されていると思う。彼は普通のファイターだと思う。少なくとも私にはそう見える」などと話した。3月6日、東京ドームホテルで開催された試合開催発表会見で井上と対面している。ネリは井上との体格差を口にし「彼は身体的に小さいファイターだ。他の選手たちと同じように、普通のファイター」と印象を口にした。

試合展開にも言及し、自らのボクシングを貫くとした。ネリは「私は前に出るのが好き。パンチを打つのが好き。12ラウンド戦う準備はできている。でも12ラウンドにいかないことを祈る。早く終わってほしい。コンディションが整い、より強く、より速く、より賢く、ハードな打撃を繰り出すネリの姿を見せられる」と自信を示した。

現在は母国メキシコではなく、米国で徹底した体重管理をしながら最終調整している。井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)によるとWBCによる1カ月前計量では58・7キロだったという。今のところ、体重超過の不安は少ない。コンディションが良いことを証明するかのようにネリは「どのパンチ、どのラウンドかは分からないが、試合は間違いなくKOで終わるだろう。19年の試合でドネアが井上を殴ってケガをさせた。私はドネアよりも若いので井上に重圧をかけることはできるだろう」と井上に競り勝つ手応えも示した。

さらに自らの最終的な現役生活のプランを口にし「すべてが計画通り進めば(井上に勝てば)、(前WBA、IBF同級統一王者)ムロジョン・アフマダリエフとの試合が行われる可能性がある。それが私の最後の試合になるだろう。私なら引退する」と明かしていた。