王者・下町俊貴(27=グリーンツダ)が、1位挑戦者のデカナルド闘凜生(27=六島)を5回TKOで退けて2度目の防衛に成功した。

圧巻は5回だった。168センチの挑戦者に対し、下町は同級で異例の長身179センチ。11センチ差をフルに生かした。

5回30秒、相手が踏み込んできたところに左アッパーをねじ込み、ダウンを奪う。何とか立ち上がった相手に連打で2度目のダウン。試合は続行も、すかさず左フックを打ち抜き、3度目のダウンで1分7秒、レフェリーストップ勝ちした。

快勝にも反省の言葉を並べた。「たまたまタイミングよく当たった。あらゆるパンチを見切られて、腰が引けて打っていたのは反省点。相手は計量の時から気合を感じていたので勝ててよかったです」。

前日計量の後は「今まで以上のパワー、力強さを見せたい。練習で意識してやってきたことなので」と話していた。その通りの決着。腰に巻いたのは“再生”されたベルト。「ボロボロだったので修理して戻ってきたのが2日前。勝ってまた巻くことができてよかった」と笑顔を見せた。

同級の世界王座には4団体統一王者の“モンスター”井上尚弥(大橋)が君臨する。あいさつに立った大橋会長は「(下町が)防衛を重ねていけば、井上ともあるでしょう」とリップサービス。下町は「井上選手はレベルが違いすぎ」と言いつつ、「まだまだですけど少しずつレベルアップして世界に近づけるようにしたい」。確実に自信は積み上げた。【実藤健一】