若い世代にベルトを渡したままではいられない。

中島翔子が、6人タッグでの勝利後、プリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩に挑戦表明した。試合後に去る渡辺を呼び止め、リングに上げると「このベルトに挑戦させてください。先輩のお願いだから、文句ないよね?」とストレートにタイトルマッチを要求した。

上原わかな、HIMAWARIと組み、渡辺、遠藤有栖、鈴芽組と対戦。挑戦表明を考えていた中島のターゲットはもちろん渡辺だった。羽織固め、場外へトペ・コンヒーロとたたみかけた。最後はロコモーション式ノーザンライト・スープレックス・ホールドこそ耐えられたが、すぐに首固めを決め、王者から3カウント。挑戦表明の権利をつかんだ。

11年目を迎えた東京女子を立ち上げから支えてきた。3月31日両国大会で、同じく立ち上げメンバーの山下実優が渡辺にベルトを奪われた。プリプリ、インター、タッグの3大ベルトがすべて若い世代の手に渡った。「特にいつも通り」と多くは語らなかった中島だが、若手の躍進は肌で感じている。

特に渡辺に関しては「最近は山下実優に近しいものを感じてた。才能もパワーもあるし、貪欲で練習熱心」と力を認める。

中島に触発されてか、一緒に戦っていた上原とHIMAWARIも遠藤、鈴芽のプリンセスタッグ挑戦を表明し、5月6日後楽園大会でのダブルタイトルマッチが決まった。

中島は「偉い。楽しくなった。キャリア10年もまだ1年ちょっとくらいも一緒ってこと」と2人の勇気をたたえた。22年以来、2度目の戴冠へ、「未詩に勝って、もう1回ベルトを巻く」。デビューして11年。ベテランと呼ぶのはまだ早い。