格闘技イベント「RIZIN46」(29日、東京・有明アリーナ)の出場選手による公開合同練習が15日、都内で行われた。

昨年11月に敵地でケラモフを倒して戴冠してから初めてのフェザー級王座防衛戦となる鈴木千裕(24)と挑戦者・金原正徳(41)も出席。金原はMMAの練習を行って、腕をきめるまでの数秒で終わらせた。一方、鈴木はシャドー30秒と上半身裸になってのミット打ち1分30秒を敢行。鋭いパンチ、肘、膝を繰り出した。

鈴木は会見終了後、来場していた子供たちにカードを配り「こういう時しかないものがたくさんあるんで。本当に縁があってつながってるんで。僕そういうのを大事にしたいタイプなので。子供たち優先ですけど、この公開練習に来て、たまたまカードをもらえて、格闘家になってみようかなとか、格闘技もっと好きになったなっていうきっかけが作れればすごいと思って。こういう機会があるのは本当にありがたいですよね」と笑顔で話した。

昨年は7月の超RIZIN2でパトリシオ・ピットブルに強烈なパンチを浴びせて1RKO勝利。11月には敵地アゼルバイジャンで当時のフェザー級王者ケラモフに挑戦し、グラウンドでの下からの蹴りとパンチで1RKOで王座を奪った。端正な顔立ちと、その真っすぐで分かりやすい発言などで、RIZINにおける“ヒーロー感”は群を抜いている。

「SNSが普及して、選手の裏側が見えたりとかすると『こんなことやってんだ』とか、幻滅することが結構多いですよね。そういう風にならないようにと思って」と、いつでもヒーロー的な存在でいるように努力する理由について説明した。

「極力そういうの(悪いこと)をしないためにも宣言した方がいいっすよね。『みんなに認められるように頑張ります!』って言えば、信号無視しない、ポイ捨てしない、人殴ったりしない、当たり前ですけど。そういうふうに自分を奮い立たせるのも、自分のためになってるんで。そういう風に居続けるためにも勝たなきゃですね」と金原戦へ意気込んだ。

キックボクシングでも現KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者という、野球の大谷翔平ばりの二刀流選手でもある。「キックも戦いたい人が何人かいるので。(今後)そういう人たちともやっていければ。MMAで勝つと『キックルールでは勝てないでしょ?』とか、逆にキックで勝って『MMAルールだったら勝てないでしょ?』っていう人たちがいるんで。どの種目でも、ああいいよ、やってあげるよ。キック? いいよ、ムエタイ? いいよ、ボクシング? いいよって。全部で勝てるのが本当の強さだと思うんです」と複数の競技を両立させる意味を説明した。

今の時点での野望は「日本のRIZINを世界のRIZINに変えること」だという。「現時点で僕が思ってるのは、世界のRIZINに変えて、僕らが海外に乗り込むんじゃなくて、お前ら来いよって。勝ちてえんだろ、っていうスタンス。当時プライドの五味さんだったり、桜庭選手だったり、あいつ倒さなきゃ、あいつマジで強えぞみたいな流れがあったじゃないですか。みんな海外から日本に乗り込んできて、もう激闘してたじゃないですか。それをもう1回できると思ってて。それをやることです」と目を輝かせた。