5月6日に東京ドームでプロボクシングWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)に挑戦する同級3位桑原拓(29=大橋)陣営が、王者の技術力の向上を警戒した。18日、ユーリ阿久井がスパーリング合宿先となる東京・新宿区の帝拳ジムで行った公開練習を桑原陣営の大橋秀行会長、指導を担当する松本好二トレーナー、太田光亮トレーナーが視察した。

桑原は21年7月に当時の日本同級王者だったユーリ阿久井に挑戦したものの、10回TKOで負けており、今回はリベンジを含めた世界初挑戦となる。王者のミット打ちなどを見守った大橋会長は「パンチがシャープになったね。前回の対戦時とは、まるで別人でした。世界王者になって相当な自信がついたのだと思う。荒いイメージだったが、テクニックも相当なものになった」と強く警戒した。

桑原が「(ユーリ阿久井の)パワー対(桑原の)スピード」との構図を口にしていたが、視察を終えた大橋会長は「技術戦になるのではないか。桑原は技術にパワーをつけ、ユーリ阿久井選手はパワーに技術をつけた感じ」と分析。以前から厳しい戦いになることは予想しており「世界戦は厳しいもの。このまま桑原に印象は伝えたい。あのパンチのシャープさは、まるで(元WBC世界フライ級王者)勇利アルバチャコフのようだと思った」と説明、ユーリ阿久井のリングネームに由来するレジェンド王者の名前を挙げていた。【藤中栄二】