平幕宇良(25=木瀬)が序盤戦を4勝1敗で終えた。この日は巨漢の栃ノ心と対戦。まげが乱れまくるほど、懐に入らせまいとする相手の強烈な突っ張りを何度も食ったが、低い体勢から右膝を捕まえ、足取りで白星を奪った。

 「うまく入れました。よかったです」

 自己最高位の東前頭4枚目とあって、場所前から三役との初対戦が注目されてきたが、番付上位の鶴竜、遠藤が休場したことで、白鵬、日馬富士、稀勢の里という横綱との対戦も濃厚になった。

 「今は自分の相撲を取りきる感じじゃないです。自分の型があれば、誰が出てきても、どんな相手でも揺るがない。それが理想なんですが…。今は(相手によって)作戦を練って相撲を取っている段階」。見る者をわくわくさせる取り口で人気を集める男は現在、必死で上位陣に食らいついている。まだ序盤とはいえ、全勝は白鵬、碧山の2人だけ。中盤以降も、目が離せない存在になる。