日本相撲協会が10月に大規模火災が起きた沖縄・首里城の敷地内で、復興祈願の横綱土俵入りを行う方向で調整していることを受け、土俵入りを務める予定の横綱白鵬(34=宮城野)が3日、冬巡業が行われた山口・下関市で「話は聞いている。四股を踏む意味があると思う」などと話した。首里城が燃えた当時の様子は、テレビの映像を通して見た。「悲しいね」と表情をゆがめたが「『まだまだあなたの役目は終わっていない』ということだと思う」と、横綱としての使命感を口にした。

土俵入りの「見えない力」を確信している。東日本大震災が起きた11年、地震発生から3カ月後の6月に慰問した岩手・山田町の小学校で土俵入りを披露。後日、連日起きていた余震が、土俵入り翌日から止まったという被災者からの言葉を伝え聞き「感動した。こういうものが(横綱の)役目、使命なんだ」と振り返った。14、15日に沖縄・うるま市で行われる冬巡業「沖縄場所」実行委員会の関係者によると、首里城での土俵入りは近日中に決定する見通し。土俵入りで誘導役を務める予定の立行司、式守伊之助(60=高田川)も「光栄なこと。しっかり務めたい」と感慨深く話した。