東前頭12枚目の石浦(30=宮城野)がダブルショックに見舞われた。琴奨菊に見せ場なく寄り切られ、初日からの連勝は「4」で止まった。さらに選抜高校野球の中止が前日の取組後に決定し、母校で父の外喜義さんが校長を務める鳥取城北の甲子園出場がなくなった。趣味がキャッチボールという野球好きだけに、一段と落ち込んでいた。

   ◇   ◇   ◇

母校の後輩を勇気づける白星とはならなかった。石浦は立ち合いから、琴奨菊の圧力にじりじりと後退。運動量で上回り、勝機を探る狙いだったが、体を密着され、何もできないまま土俵を割った。これで対戦成績は4戦全敗。「引かずに我慢したかったけど、菊関は圧力があった」。兄弟子の横綱白鵬とともに、序盤戦無敗とはならなかった。

この日の今場所初黒星以前に、すでにショックな出来事があった。前日の取組後、母校の鳥取城北が出場予定だったセンバツの中止が決定。当初は「日程を合わせて(甲子園に)応援に行こうと思っていた」という。だが次第に開催しても無観客という情勢へ。そして中止が決まった。かつては野球少年でもあり、現在も趣味はキャッチボール。しかも父が現在は校長を務めているだけに「楽しみにしていた」。春は8年ぶり2度目の出場で初勝利を目指す後輩が活力源だった。

「どうしようもできないこと。また夏を目指してほしい」。落ち込んでばかりはいられないのは、球児も自身も同じ。無観客開催の独特な雰囲気も「思ったよりも早く慣れてきた」という。最後にようやく吹っ切れた表情を見せ、後輩にエールを送る白星と、6日目からの再加速へ、自信をのぞかせた。【高田文太】