再十両を目指す東幕下2枚目の豊ノ島(36=時津風)が、手痛い黒星を喫し2勝3敗と後がなくなった。

2勝2敗同士で迎えた5番相撲の相手は、豊ノ島同様、1場所での十両復帰を目指す西幕下筆頭の魁(33=芝田山)。過去2戦2勝の相手に右を入れると、激しい差し手争いの末、左もスパッと入り得意のもろ差し。相手の右上手も切って寄って出たが、やや急ぎすぎたか腰高になり、足も十分に出なかった。前傾のまま体を預けたが、両足が俵にかかった状態で魁も懸命に残り、最後は逆転の小手投げで前のめりに倒された。

最後の詰めを欠いた、もったいない一番。勝ち越しに王手をかけるところが、3敗目で負け越しに後がなくなり「アレを食っちゃいかんなあ。この何場所からで一番の入り具合で“よしっ”と思ったけど」と二本差したまでは良かったが「悔しい負けだなあ…。自分の相撲は取れてるだけに、自分の形だし。あの体勢でアレを食うようになっちゃったか、という感じ」と悔やみきれない一番を、報道陣と3メートルあまりの距離を隔てるために設置された、手すりに手をかけた前かがみの姿勢で振り返った。

悔しい表情はそのままに何とか自分の気持ちをもり立てようと、豊ノ島は必死に言葉をつないだ。「自分の立ち合いを、しっかりやろうと思って(実際に)なっている。あと2番、今日みたいに自分の立ち合いをして、自分の流れで取れるように頑張ります」。