日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は16日、報道陣の代表取材に応じ、協会員のSNS使用解禁について「多分ないんじゃないか。ちゃんと使えればいいが(過去に)そうなったことがない」と、当面は見送る方針を示した。

この日は東京・両国国技館で全協会員を対象とした「薬物・コロナ等講習会」が行われ「SNSの危険性」に関しても講義があった。

角界では小結阿炎と十両若元春(番付は当時)が2年前の19年11月、インスタグラムに投稿した動画が不謹慎とみなされて炎上したことを受け、その後は力士ら協会員個人のSNS使用が原則的に禁止となっていた。それまでSNSはファンとのつながりを深める手段として使われており、現在も協会公式のSNSは活用されているが、同広報部長は「協会は組織としてまっとうな使い方をしている。若い者は、受け狙い、『いいね』とかもらいたくてやっている。危険性がある。面白いと思ってやっても、迷惑行為になる」と警戒心を強めた。

この日の講習会では3人の講師を招いて「禁止薬物の恐怖について」、「SNSの危険性」、「今後のコロナ対策」をテーマに協会員は理解を深めた。薬物に関しては、7月の名古屋場所中に元前頭貴源治(当時十両)が大麻を使用したとして解雇されたことを受けて実施されたもの。芝田山広報部長は「いろんな薬物があり、生活していると、インターネットで簡単に手に入る。SNSも薬物も1人1人が意識をもって、行動、言動をしてほしい」と、協会員に対して呼びかけた。