優勝争いで全勝の高安(32=田子ノ浦)に、1差でピタリとつける若隆景(27=荒汐)が、新関脇同士の対戦で阿炎(27=錣山)を破り5日目から6連勝。9勝目を挙げた。

立ち合いで1歩先に踏み込み、阿炎の得意のもろ手突きの威力を半減させた。なおも押し込み右おっつけで攻めると、左の突きを外された阿炎が、たまらず引いた。勝負どころを逃さず、体を密着させて寄り切った。

【取組速報】春場所10日目全取組結果

今場所、何度も高い評価をしている日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、この日も「最高の相撲。立ち合いからいい当たりをした。うまく下からおっつけた技能相撲。圧力をかけながら突っ張らせなかった」と褒めた。その原動力についても「上体だけではダメだけど(若隆景は)ちゃんと踏み込んで押している(からいい)。前に出て押しながら体重が乗っている」と解説。今後の活躍についても「楽しみですね。どういう相撲を取るんだろうという」と期待し、11日目に組まれた高安との優勝争いをかけた大一番については「明日(11日目)も中に中に(入る)という相撲じゃないかな」と占った。