日本相撲協会は29日、大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、先場所12勝3敗で初優勝を遂げた逸ノ城(29=湊)が小結に返り咲いた。5場所ぶりの三役復帰に逸ノ城は「優勝してからの三役はうれしさより、責任感が強い。これからは三役に定着して上を目指せるようにしたい」と誓った。2場所連続の優勝も期待される中で、まずは2桁勝利を目標に掲げた。

優勝力士として臨む今場所について「先場所優勝できたこともあるので、三役に定着して上を目指していくのが大事になる。優勝して変わることがないようにしたい」と意気込みを見せた。気持ちを新たにする中で、東京・両国国技館に掲げられる自身の優勝額を目にすることを心待ちにしている。「前はテレビでしか見たことない夢のような世界だった。自分の番が来てうれしいです」。同じ飛行機で来日した水戸龍が今場所で新入幕を果たし、盟友の奮起が刺激になる。「しっかり負けないよう頑張りたい」と感情を込めた。

場所前の出稽古期間には時津風、玉ノ井部屋にそれぞれ2日間ずつ訪れ、大関正代や十両の東龍らと胸を合わせた。立ち合いから鋭く踏み込み、四つに組んで積極的に前に出る攻めのスタイルに磨きをかけた。

これまで三役として臨んだ場所で白星を2桁にのせることはできていない。「平幕で2桁勝つのと三役で2桁勝つのは違う」。プレッシャーにのまれず、最後まで自分の相撲が徹底できるかが鍵になる。