来年1月の大相撲初場所(8日初日、東京・両国国技館)で十両に復帰する大関経験者の朝乃山(28=高砂)が、11月の九州場所を最後に現役を引退した元幕内の豊山についての思いを明かした。

5日、所属する高砂部屋での稽古を終えた後に取材に応じ、同学年で入門同期のライバルについて「引退会見のコメントを見て、肘が限界だったんだろうなと思いました。ここまでこれたのは彼のおかげでもある。また当たりたかった」と惜しんだ。

三段目最下位格(100枚目)付け出しの資格を得て初土俵を踏んだのは16年春場所。その場所の一番相撲で同じく三段目最下位格付け出しデビューとなった豊山(当時小柳)と対戦した。その後は互いに切磋琢磨(せっさたくま)して、番付を上げていった。

朝乃山 同じ場所で入門して初日に対戦して、今思えばあれが始まり。彼がどんどん成績を出して追い抜かれて、そこで僕が悔しい気持ちになった。彼がいたからこそ早く上にいきたいと思うようになり、彼と相撲を取るときは人一倍違う感情がありました。同世代に負けたくないという気持ちが芽生えたのも彼のおかげでした。

かつてのライバルは引退を決め、パーソナルトレーナーとして歩むことを決めた。そんな同期について、朝乃山は「相撲の人生よりもこれからが長いから、体を壊さずに頑張ってほしい」とエールを送った。【平山連】