大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)を新十両で臨む落合(19=宮城野)に、母校の鳥取城北高から化粧まわしが贈られた。8日、同校で贈呈式が開かれた。出席した相撲部総監督で石浦外喜義(ときよし)校長は「これは高校時代から稽古に打ち込んできた証し」と愛弟子の頑張りをたたえ、「野球の大谷選手のように、相撲界では落合と言われるようなことをやってほしい」とエールを送った。

同校では十両昇進を果たすと化粧まわしを贈るのが恒例となっており、元大関琴光喜から数えて今回で17人目。スクールカラーのえんじ色でデザインされた化粧まわしは貴健斗、北青鵬、狼雅に続き4人目となった。

細部をみると中央に同県の因幡(いなば)地方に伝わる伝統芸能「麒麟獅子舞(きりんじしまい)」の頭が描かれ、その脇には相撲部のモットーである「嘘のない稽古」、母校を思い起こす「城北魂」の言葉が刺しゅうされている。落合の名もしっかり刻まれた。締め込みなどの関取衆の道具を入れる明け荷とともに、明日にも大阪で春場所に向けて準備する落合の下に届けられる。

落合は今年1月の初場所で幕下15枚目格付け出しデビューし7戦全勝優勝。15枚目格付け出しとしては2006年夏場所の下田(のちの若圭翔)以来となる2人目の全勝優勝で、現行制度では史上最速かつ昭和以降では初めてとなる所要1場所での十両昇進を決めた。相撲界に現れた令和の怪物。晴れ姿を見られる時が、いよいよ近づいてきた。

石浦校長は「(落合は)15日間をどう戦うかを既に頭で思い描いていると思う。簡単にいかないところはあるかもしれませんが、余計なことを考えず1日一番。初めてのことでもやっていける男なので、楽しみです」と期待を寄せた。【平山連】