西幕下38枚目で「昭和の大横綱」大鵬の孫、夢道鵬(21=大嶽)が、初体験の「二番後取り直し」の末に2連勝を飾った。東幕下39枚目の長内(24=高砂)との最初の一番は5分余りの大熱戦。左下手の夢道鵬が。前半は有利な体勢をつくった。下手投げを打つなど攻めたが、長内に頭をつけられて右上手を取られ、次第に五分の体勢となると、膠着(こうちゃく)状態が続いた。5分が過ぎたところで、審判の二十山親方(元小結栃乃花)が手を挙げて「2番後取り直し」が決まった。

十両以上では水入りで休憩を挟み、同じ体勢からそのまま取り直すが、幕下以下は「二番後取り直し」という、間に取組が2番行われる、一般的な数え方としては“3番後”の取り直しとなる。その取り直しで、夢道鵬が今度は8秒で寄り倒した。夢道鵬は「うれしい。よかったです」と、息を切らしながら喜んだ。

夢道鵬は最初の一番を振り返り「相手が前に出てきたら投げようという、消極的な相撲になった。苦しい中で、チャンスがきたらと思っていた」と振り返った。取り直しの一番は「1歩1歩前に出られた。相手も疲れているだろうから、攻めようと思った。左腕に乳酸がたまっていたので、集中を切らさないようにした」と、疲れ切った様子ながら、うれしそうに話した。

一方の長内は、初日の一番相撲も3分超の熱戦だった。一番相撲では白星だったが、この日は黒星。取組後は、前頭朝乃山の付け人業務のため、急ぎ足で引き揚げていた。

大相撲夏場所全取組結果