大相撲九州場所(11月)のPRイベント「人気力士が集結!みんなで触ろう!腹タッチ会!」が11日、福岡市内の商業施設で初めて行われた。

幕内力士の正代、佐田の海、平戸海、宇良、一山本が参加。お笑い芸人の蛍原徹がイベントMCを務めたこともあり、早朝から400人を超える大相撲ファンが集まり、大いに盛り上がった。

初開催の「腹タッチ会」は大盛況だった。参加400人が順番に、壇上に並んだ浴衣姿の力士5人のおなかをタッチして行った。会話を交わすなどして、思い思いに貴重な体験を楽しんだ。この他、歌なども披露した正代は「(大相撲に)興味を持つきっかけを持ってくれたらと思う」と話し、平戸海は「おなかを触って喜んでもらえ、いいなと思いました」と笑みを見せた。

「腹タッチ会」に参加できたのは、先着400人だった。午前10時の入場整理券配布を目的に、早朝5時半過ぎから行列ができたほどの人気ぶりだった。熊本・八代市から親子で駆けつけた30代の女性会社員は「関取はポチャッとしてて(おなかは)柔らかいと思ったが、筋肉がついていた。それで立ち合いも決まるんだなと思いました。特に佐田の海のおなかがガッチリしていました」と感激し、10代の女子中学生は「硬かったです」と驚いた。

成功裏に終わり、九州場所担当の三保ケ関親方(元前頭栃栄)は「11月場所が待ち遠しいと思ってもらえるきっかけになってくれればうれしい」と声を弾ませた。

「腹タッチ会」は、近年の相撲離れもあって、ファンの意見も取り入れながら、身近に触れあえるイベントとして企画された。実際、セクハラにあたるのではないかとの慎重論もあったという。

だが、三保ケ関親方によると、力士からは「巡業でも普通に皆さん触ってきます。おもしろいですね」という好反応だったことから、実施に踏み切ったという。多忙な力士のタイミングを見計らい、特にイベントがない6月に開催。九州場所半年前だが、周知させる絶好の機会ととらえた。「相撲に触れあうイベントはハイタッチや握手会の意見もあった。だが、力士だからできるイベントとして、オンリーワンのおなかを触るイベントを企画した」と経緯を説明した。

会場には平戸海が「本場所より、こっちの方が緊張する」と驚いたファンの熱気が充満。力士は「腹タッチ」を通じて、本場所への英気を養った。【菊川光一】