大相撲秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議で、新十両昇進が決まった向中野改め天照鵬(20=宮城野)が26日、名古屋市内で会見した。この日発表された新たなしこ名の「天照鵬」は、出身の三重県伊勢市の伊勢神宮にまつられる、天照大神(あまてらすおおみかみ)にちなみ、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)から名付けられたもの。天照鵬は「かっこいいし、ありがたい。神さまの名前なので、少し気負う部分があるけど、そういうのを全部はね返すぐらいの、いい相撲を取って上に駆け上がっていきたい。将来の夢は、宮城野親方のように強い横綱になることです」と力を込めた。

180センチ、175キロで、突き、押しを武器に、21年夏場所の初土俵から、2年余りで関取となった。宮城野親方は「私が2年半なので、十分早い方。でも後から入った(前頭)伯桜鵬、(十両)輝鵬に先を越されて悔しかったと思う。ハズ押しから突き、おっつけ、そして一気に出ていく。この相撲をもっと磨いて『令和の猛牛』の名の下で活躍してほしい」と、しこ名に続いて愛称まで授けて期待。師匠考案の「令和の猛牛」の愛称についても、天照鵬は「豊響関(現山科親方)が『猛牛』と言われていて、豊響関も馬力、前に出る力が強かったので、そういうところを参考にしていきたい」と、愛称通りの勇ましい取り口で、番付を駆け上がることを誓った。

対戦したい力士を問われ「全員」と答えたが、師匠に「幕内も含めて」と、水を向けられると「貴景勝関です」と、同じ押し相撲の大関の名を挙げた。新十両として迎える秋場所の目標は「優勝です」ときっぱり。今月の名古屋場所で、109年ぶりの新入幕優勝に迫った鳥取城北高の1学年後輩の伯桜鵬は「憧れでもあり、ライバルでもある。そういう存在」と、追いつき、追い越したい思いが強い。今年に入って、早くも3人目の新十両が誕生。さらに、先に関取となった前頭北青鵬もいる。天照鵬の新十両昇進で、宮城野部屋内の出世争いは、一段と激しくなりそうだ。