東幕下11枚目の北はり磨(37=山響)が、入門時の師匠で、この日が命日だった故北の湖親方(元横綱)にささげる白星で全勝を守った。ともに4連勝で勝ち越しを決めて臨んだ東幕下筆頭の白鷹山戦。

相手の突っ張りにも動じず、懐に潜り込み危なげなく押し出して勝ちきり、5連勝とした。この日が、8年前の15年に故北の湖親方が亡くなった命日であることは知っていたそうで「いい相撲を、熱い相撲を取れるように、と思っていた。出身は西はり磨なんですが、先代師匠のしこ名から『北』の1字をいただいた時は、本当にうれしかった」と、特別な日に勝てたことを喜んだ。

故北の湖親方の教えで思い出されるのは「1歩前へ」だという。「迷わずに行け、という意味だと思う。黙とうをしたとかはありませんが、しっかりと自分の胸に『いい相撲を取ろう』と誓っていた」。関取に導いてくれた、何よりも今も「相撲が好き」と思えるほど、故人の熱心で愛のある指導には、感謝してもしきれない思いがある。残る2番とも勝って、今場所を7戦全勝とすれば十両返り咲きが確実。三段目優勝を果たした先場所から、14連勝で故人に胸を張って報告する日を心待ちにしている。

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