日本相撲協会は1月31日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、若隆景、対馬洋、北はり磨、伯桜鵬4人の十両復帰を決めた。37歳北はり磨は最多タイの9度目の十両昇進で、37歳6カ月29日は39歳5カ月の大潮に次いで戦後2番目の高齢記録となった。なお新十両はいなかった。

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記録的な復活劇だ。3年半ぶりの関取復帰に、北はり磨は「やったな、という感じ。自分で自分を褒めたい」と声を弾ませた。昨年9月の秋場所は三段目に陥落するも全勝優勝。九州場所6勝1敗、初場所4勝3敗と3場所連続勝ち越して再十両をつかんだ。元木瀬部屋の希善龍と並んで最多9度目の十両昇進。「何回も諦めずにきたからこそですから、自分らしい記録」と誇らしげに笑った。

元横綱稀勢の里や元大関豪栄道ら「花のロクイチ組」(昭和61年度生まれの関取の総称)の1人。同じ兵庫県出身の平幕の妙義龍とは同じ道場で相撲に打ち込んだ。自身は02年春場所で初土俵を踏んだ中卒たたき上げで、最高位は東前頭15枚目(16年名古屋場所)。幕内土俵はわずか1場所に終わった悔しさが、現役を続ける原動力だ。

37歳6カ月29日での再十両は戦後2番目の年長記録だが、「年齢はあくまで数字でしかない。体は全然動く」と現役バリバリ。今もなお、伸びしろすら感じている。準ご当地場所に当たる大阪で久々に15日間相撲を取ることに「楽しみにしてください。目標はもちろん全勝です」と気合満々だった。【平山連】

◆北はり磨(きたはりま) 本名・嶋田聖也。1986年(昭61)7月28日、兵庫・たつの市生まれ。もともと柔道をしていたが、わんぱく相撲大会で全国大会に進んだことを機に小4で相撲に転向。広畑少年相撲教室に通い始め、同級生には後の妙義龍がいた。中学卒業後に北の湖部屋へ入門し、02年春場所で初土俵。12年初場所で新十両、16年名古屋場所で新入幕。130キロ。得意は突き、押し。