大相撲の幕内北青鵬(22=宮城野)の引退届が受理された。

23日、東京・両国国技館で臨時理事会が行われ、後輩力士への日常的な暴力行為に関する処分を協議した。理事会では22日に提出された引退届を受理し、懲戒処分とした場合は引退勧告処分相当の事案だったことを確認した。

北青鵬は現役最長身204センチの22歳。長い手足を生かして肩越しから上手を取る豪快な攻めで、スケールの大きな相撲が光った。

両親とともにモンゴルから来日し、5歳から小6までは札幌で育った。中学からは鳥取へ相撲留学し、名門の鳥取城北高に進学。幼い頃から交流があった横綱白鵬の背中を追いかけ、高校卒業後は白鵬が所属する宮城野部屋に入門した。20年春場所で初土俵を踏み、順調に番付を上げて、21年秋場所新十両、23年春場所で新入幕を果たした。

24年は「絶対に三役に上がるという気持ちで頑張らないといけない」と気合をみなぎらせていたが、初場所を右膝のケガで途中休場。その後に自身が犯した暴力行為や金銭トラブル疑惑が浮上。コンプライアンス委員会で聴取を受ける事態を招いた。出席した21日の同委後には、一連の問題について「素直に反省しています」と話していたが、自らの愚行により、引退を余儀なくされた。関取在位は12場所(初場所時点)にとどまり、国技館の土俵で引退相撲が行える目安の「関取30場所以上」に届かなかった。

◆北青鵬治 ほくせいほう・おさむ。本名アリューナー・ダワーニンジ。2001年11月12日、モンゴル生まれ。5歳から札幌市で育つ。鳥取城北高から宮城野部屋に入門し、20年春場所初土俵。21年秋場所新十両。得意は右四つ、寄り。204センチ、182キロ。