大関経験者で西前頭筆頭の朝乃山(30=高砂)は、連勝が「2」で止まり、4勝5敗と再び黒星を先行させた。初顔合わせだった昨年名古屋場所は勝っていた、くせ者の宇良に、2度目の対戦は敗れた。立ち合いで相手に潜り込まれ、右を差された。肩透かしをちらチラつかせながら、左に回り込んだ相手に頭も押さえられ、最後はもつれながら、すくい投げで土俵下まで転がされた。3年ぶりとなる来場所の三役返り咲きへ、再び今場所初の白星先行を目指す展開となった。

取組後は「寄っていく時に(相手が)肩透かしにいこうとしているのが見えた。最後は左手がバンザイになってしまっていた」と、悔しそうな表情で振り返った。白星先行とはならず「勝たないと意味がない」と、唇をかんだ。

前日8日目は、小結錦木を好内容で破っていた。立ち合いから右を差し、すかさず左上手も引いて万全の体勢。胸を合わせてじりじりと前に出て寄り切った。7日目に3年ぶりに大栄翔から白星を挙げてから連勝したが、再び勢いづく白星がほしい展開となった。

前日の取組後は、この日の宇良戦への意欲を示していた。宇良は大阪府・寝屋川市出身のご当所。相手への大声援は必至という状況だが「相手の声援が大きければ大きいほど、僕も気合が入る。いやぁ、いいですね!」と歓迎していた。この日の取組後は「(やる気が)空回りはしていない。気合は入っていたので」と、精神面には問題はなかったことを強調。それだけに手痛い黒星に、これまで以上に苦い表情を見せていた。

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