「歴史的瞬間だよね」。110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士(24=伊勢ケ浜)に、協会トップが最大級の賛辞を送った。

前日は右足首を痛めた尊富士の姿に「(ケガが)軽いことを祈るだけ」と話していた八角理事長。出場したばかりか、力強い相撲で勝った若武者を「立派ですね。いい根性をしている。左四つになって速かったし、前に出る勇気がある。気持ちが強いということ」と評価した。そして、110年ぶりの新入幕優勝という快挙に「歴史的瞬間だよね。考えられない。13番でしょ? 立派ですよ」と続け、三賞トリプル受賞にも「当然でしょう」と話した。

優勝の要因の1つとして、部屋の兄弟子に横綱がいることを挙げた。「照ノ富士(の存在)が大きい。一番強い人と稽古出来る。だから新入幕でも気持ちで負けない。稽古場で幕内、横綱と慣れているから(本場所でも相手を)これぐらいかな、と(いう気持ちに)なれる」と指摘した。

さらに技術論にも言及。「普通は気持ちが空回りして、無駄な動きから墓穴を掘るが、それがない。全部が的確。若元春とやった時の相撲勘。思い切りの良さは持って生まれたもので、勝負強さもある」と、褒めちぎる言葉は、いつまでも続いた。

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