大相撲の元幕内北青鵬の暴力問題で、当面閉鎖が決まった宮城野部屋の師匠を務めていた宮城野親方(39=元横綱白鵬)が1日、この日から転籍となった伊勢ケ浜部屋に、3日にあいさつを兼ねて行くことを明かした。東京・墨田区の部屋からの外出に際し、足早に車に乗り込んだ後、報道陣からの伊勢ケ浜部屋にはいつ行くかの質問に「あさって(3日)行きます」と答えた。朝稽古に行くか聞かれると「そうです」と続けた。

宮城野部屋をめぐっては、元北青鵬の暴力で2月に、宮城野親方が2階級降格などの処分を受けた。3月に大阪市内で行われた春場所では、宮城野親方は師匠を外され、同じ伊勢ケ浜一門の玉垣親方(元小結智乃花)が師匠代行を務めていた。3月末に行われた理事会で、宮城野、間垣(元前頭石浦)の親方衆2人と、十両伯桜鵬ら力士、行司、呼び出し、床山と、宮城野部屋に所属する全ての日本相撲協会員が、4月から伊勢ケ浜部屋に転籍することが決まっていた。

伊勢ケ浜部屋はこの日から、東京・江東区の部屋で稽古を再開したが、双方の準備が整わず、3月まで宮城野部屋に所属していた力士は、参加しなかった。一方で2人の床山は自転車で移動して伊勢ケ浜部屋での稽古に足を運び、一足早く交流した。宮城野親方は、力士らの引っ越しの予定については「まだ」と、決まっていないとし、縦170センチ弱×横37センチ×厚さ6センチの「宮城野部屋」の看板については「明日、あさってか」と、近日中に取り外す可能性があることを示した。

宮城野親方が、部屋付き親方として伊勢ケ浜部屋に“初出勤”する際に、間垣親方や力士も一緒に行くのか、稽古に参加させるのかなどまでは明かさなかった。旧宮城野部屋所属力士は、この日は稽古を行わなかった。宮城野親方も忙しそうに、部屋の一時閉鎖に伴うさまざまな対応に追われていた。