大相撲の元幕内北青鵬の暴力問題で、部屋が当面閉鎖となった宮城野親方(39=元横綱白鵬)が3日、今月から部屋付き親方として転籍してからは初めて、東京・江東区の伊勢ケ浜部屋を訪れ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と話し合った。伊勢ケ浜部屋の朝稽古が終わりを迎える午前11時前に、紗代子夫人、弟弟子でもあった間垣親方(元前頭石浦)を伴い、約2時間滞在した。宮城野親方は「一生懸命頑張ると表現していいか分からないけど、1日1日頑張るというか、そういう思いです」と、真剣な表情で話した。

宮城野部屋をめぐっては、元北青鵬の暴力で2月に、宮城野親方が2階級降格などの処分を受けた。3月に大阪市内で行われた春場所では、宮城野親方が師匠を外され、同じ伊勢ケ浜一門の玉垣親方(元小結智乃花)が師匠代行を務めていた。3月末に行われた理事会で、宮城野、間垣の親方衆2人と、十両伯桜鵬ら力士、行司、呼び出し、床山と、宮城野部屋に所属する全ての日本相撲協会員が、今月から伊勢ケ浜部屋に転籍することが決まっていた。

現時点で力士らは引っ越しておらず、先月までと変わらず東京・墨田区にある“宮城野部屋”で生活している。この日まで、旧宮城野部屋の力士は、稽古を再開していない。宮城野親方は「今後のこともあって、7日に引っ越しということになりました」と、この日の伊勢ケ浜親方との話し合いで、正式に日程が決まったことを明かした。宮城野親方は「片付けもあるし、稽古をやる状態ではない。荷物もあるし」と“宮城野部屋”の稽古場は、引っ越しに備えて土俵が使えない状態であることを説明。本格的に土俵で稽古を再開するのは、7日に引っ越した後になるとみられる。

この日の話し合いで、宮城野親方が、伊勢ケ浜親方から伝えられたことは「いっぱいありました」という。中でも「全国、地方を回って(弟子の)親御さんに会いに行きなさい」と言われたことが心に響いた様子。先行きに不安を感じている各力士の親に、宮城野親方自ら説明に行き、不安を取り除くことの重要性をあらためて感じていた。部屋付き親方となっても、自らの弟子には責任を持って接することになる。