弟子の元前頭北青鵬の暴力問題で師匠としての監督責任を問われ、当面の部屋閉鎖が決まった宮城野部屋の力士らが7日、東京・墨田区にあった部屋から、今月1日付での転籍が決まった東京・江東区の伊勢ケ浜部屋への引っ越し作業をした。

午前中に数回にわたり、伊勢ケ浜部屋には運ばない荷物の搬出作業を行い、午後1時過ぎに、力士ら個人の荷物をトラックに乗せ伊勢ケ浜部屋に向け出発した。同2時過ぎに荷物が伊勢ケ浜部屋に到着すると、若い衆らが手分けして伊勢ケ浜部屋内に荷物を搬入。1時間ほどで引っ越しは完了した。同3時過ぎ、宮城野親方(元横綱白鵬)は、見送る弟子に「頑張って」と声をかけた後、報道陣の問い掛けに「頑張ります」とだけ答えて帰宅の途についた。

今月3日には宮城野親方(元横綱白鵬)が、転籍後初めて伊勢ケ浜部屋を訪れ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)にあいさつ。同時に「宮城野部屋」の看板も外した。だが双方の準備が整わず、引っ越しは、この日にずれ込んでいた。引っ越しが完了したことで、宮城野部屋を一時的に吸収した形の、新たな伊勢ケ浜部屋としての稽古が8日から始まる。

北青鵬の問題を受けて、理事会で2階級降格などの処分を受けた宮城野親方(元横綱白鵬)、部屋付きの間垣親方(元前頭石浦)、十両伯桜鵬ら十数人の全力士と行司、呼び出し、床山ら所属する全ての日本相撲協会員が、宮城野部屋から伊勢ケ浜部屋に転籍した。

受け入れ側となった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、全45部屋で唯一の30人超えとなる力士総数34人(春場所前後のデータから、番付外は含まず)の大所帯となることにも「(一時期)30人ぐらい(力士が)いた時もあったから」と寛容に受け止めた。さらに、今後の指導方針についても「お相撲さんを大切にやっていきたい。あまり刺激しないでください」と報道陣に対し、やんわりと過剰な対応を抑えるように求めた。