大相撲の元幕内北青鵬の暴力問題で、当面閉鎖が決まった旧宮城野部屋の力士が8日、転籍した東京・江東区の伊勢ケ浜部屋で「伊勢ケ浜部屋所属」として初めて稽古を行った。

師匠を外れ、伊勢ケ浜部屋の部屋付き親方となった宮城野親方(39=元横綱白鵬)は、まわしを着けて土俵周りで指導。春巡業から一時帰京している横綱照ノ富士ら関取衆も加わり、40人近い力士が約4時間30分、汗を流した。前日7日に旧宮城野部屋勢が引っ越し、力士数がダントツとなった「新生伊勢ケ浜部屋」にとって、正真正銘の船出となった。

稽古は非公開で行われたが、師匠の伊勢ケ浜親方(63=元横綱旭富士)が、報道陣に対応。「みんな気合を入れて稽古している。稽古を30分早めて(午前)8時から始めたけど、ちょっと足りないかな」と、活気のある様子を歓迎した。同親方は、宮城野親方については「45回も優勝しているし、横綱としてのスキルを伝えてくれれば。今日もまわしの取り方、切り方とかを教えていた」と明かした。まわしを着けての指導は、宮城野親方自らの希望だったといい「相乗効果でみんな強くなってくれれば」と、全力士の成長を期待し、今後に期待を寄せていた。【高田文太】