日本相撲協会は11日、元横綱曙の曙太郎さんが4月上旬に心不全のため東京都の病院で死去したと発表した。曙さんは大相撲で史上初の外国出身横綱となり、国際化に大きな足跡を残した。

同じハワイ出身の元関脇高見山にスカウトされて角界入り。同郷の後輩、武蔵丸も最高位に就き、その後はモンゴル勢の朝青龍、白鵬らが続いた。現在の照ノ富士を含め、計7人の外国勢が横綱に上り詰めた。

1972年名古屋場所。外国出身力士として初優勝を果たしたのが高見山だった。39歳まで現役を務め、現役引退後は東関親方に。ハワイ出身で弟弟子の小錦が初の大関となり、弟子の曙さんが初の横綱に昇進した。

曙さんが11度、武蔵丸が12度の優勝を遂げた後、ハワイ勢の隆盛は終焉(しゅうえん)を迎えた。2000年代はモンゴル勢の独壇場となり、朝青龍が優勝25度、白鵬は史上最多の優勝45度など数々の大記録を樹立した。

曙さんが3代目若乃花、貴乃花の「若貴兄弟」としのぎを削った時代は空前の大相撲ブームに沸いた。曙さんは日本勢に立ちはだかり、時として憎まれ役になりながら、強烈な存在感を示した。(共同)