大相撲の大関琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)と親交が厚く、今月上旬に54歳で亡くなった元横綱曙さんをしのんだ。12日、埼玉・川越市で行われた春巡業に参加。新入幕目前の約4年前に、曙さんが愛用していた着物を譲り受けたことを明かした。曙さんの家族を通じて渡されたもので、故人と会った記憶はないが「赤ちゃんの時に、抱っこしてもらったとは聞いている」という。その上で「ちゃんとお会いできていなかったので(大関となった)こういう姿を見せたかった」と、名残惜しそうに話した。

曙さんの家族を通じて譲り受けた着物は、故人が204センチと大柄だけにサイズが大きすぎて、仕立て直したという。「出掛ける時に、ちょくちょく着ている」と、日常的に着ている愛用の着物。曙さんが現役の時の記憶は「引退した時に3歳…。さすがに覚えていない」というが、映像では繰り返し見ている。「自分はまだまだですけど『ここまで上がることができましたよ』と、しっかりと天国に名前が届くように頑張りたい」と、力を込めて話しつつ、故人の力強い相撲に敬意を表していた。