大関経験者で、前日4日目の取組で左膝を負傷して名古屋市の病院に緊急搬送されていた、東前頭12枚目朝乃山(30=高砂)は、重傷だったことが分かった。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)が、この日、愛知・蟹江町での朝稽古で明かした。同親方は「前十字靱帯(じんたい)が切れている。手術すれば半年はかかる」と説明。「左膝前十字靱帯断裂、左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷、左大腿(だいたい)骨骨挫傷で約2カ月間の加療を要する見込み」との診断書を提出し、この日から休場した。5日目に対戦を組まれていた翠富士は不戦勝となる。

今後の方針は医師と相談して決めるという。高砂親方は「力はあるから、しっかり治してから復活させたい。手術するかどうかは(医師の)先生と相談して決めるけど、手術しないと(靱帯が)つながらず、ゆるくなってしまうから、手術した方がいいと思う」と話した。

朝乃山は前日の一山本戦で、左膝から崩れるように押し倒されて敗れ、3勝1敗となっていた。倒れた際には顔をゆがめ、親方衆らの肩を借りて土俵を降り、車いすで医務室へ運ばれた。さらに、名古屋市消防局のハイパーレスキュー隊の特殊車両に車いすのまま乗り込み、会場を後にしていた。

5日目から休場し、今場所は千秋楽まで休場する。十両に転落することが確実な9月の秋場所も、間に合わない見通しだけに、幕下以下に転落するのは確実となった。病院に付き添った高砂親方は「当然、本人は落ち込んでいる」と、前日の朝乃山の様子を説明した。ただ、部屋関係者によると、この日は部屋で静養に務めているが、徐々にショックからも立ち直り、再起に向けて早くも前向きになっているという。

朝乃山は新型コロナウイルスのガイドライン違反で、1年間の出場停止、大関から三段目に転落という経験をした。そこから先場所は、約3年ぶりの三役復帰。小結まで番付を上げていたが、4月の春巡業中に右膝をけがして全休していた。2場所ぶりに復帰した今場所は、初日から3連勝と好調だったが、先場所とは逆の左膝を大けが。再び長期休場は必至となる、試練が訪れることとなった。