東京での本場所初日は、国技館で優勝額除幕式が行われる。国技館内に掲額されている32枚の優勝額のうち、前日のうちに古い2枚が外され、新しい2枚が掲額される。除幕式では、新しい2枚にかぶせられたスクリーンが、音楽とともに上にスライドし、披露される仕組みだ。
これはどういう仕組みで、誰が操作しているのか調べてみた。
スクリーンを設置する担当者は、有限会社木村商店の唐澤隆宏統括部長。「土曜日の午前10時ごろ、古い優勝額を下ろします。午後1時ごろから、新しい優勝額に箱をつけて、ウインチで上げます。箱は電動のロールスクリーンがついていて、特注です。ロールスクリーンは、立川ブラインドさんのものを応用して使っています。この仕事は、立川ブラインドさんの依頼でやっているので、報告もしています」。
国技館の天井に近いキャットウオークに、ロールスクリーンを上げ下げするスイッチがある。このスイッチを「上」にセットして電源をオフにする。電源を入れれば、自動的にスクリーンが上がるようにしてあるという。
電源はどこで入れるのか。
これは、正面と東の間の角にある2階席最上部の「照明室」で行う。こちらの責任者は、田中電設株式会社の田中有積代表取締役だ。第一種電気工事士の資格を持っている。田中さんは「ここは照明の担当です。『序幕1』を押すと、照明のスイッチが入り、スクリーンのモーターが動きます。音楽は音響担当の方がやっています」と説明した。
実際にスイッチを押すのは、同じく照明室に詰めている合同会社SAN LIGHTの遠藤正敏代表。「みんなが見ているので、タイミングを間違えないように気を使います」と話した。遠藤さんは、十両以上の勝ち負けを表示する電光掲示板の操作も担当している。
ロールカーテンは立川ブラインド製で、スイッチは手動。「アーーー」と聞こえる音楽とともに注目される「優勝額除幕式」は、人の手によって行われている。【佐々木一郎】

