大関経験者で西十両13枚目の朝乃山(31=高砂)が、3連勝を飾り、2年4カ月ぶりの2桁白星に王手をかけた。

西十両7枚目の英乃海を破って9勝2敗。立ち合い直後に左上手を引き、前に出ながら右も差して寄り切った。過去2度の顔合わせで、ともに破っていた相手を、7年ぶり3度目の対戦でも破り、錦富士、同部屋の朝白龍と並び、十両優勝争いのトップを守った。

「上手はちょっと深かったけど引きつけて、前に出ながら右も差せた。攻めていけば膝にも負担がかからない。前に出られたのがよかった」と、うなずいた。英乃海との対戦は「2018年以来ですね」と、記憶に残っていた。加えて相手が所属する木瀬部屋には先場所前、2日連続で出稽古した。その2日間で、英乃海とは10番ほど取ったといい「胸を合わせた時の英乃海関の柔らかさとかは覚えていた」と、実際に肌を合わせた時から残っていた感覚を生かして、白星につなげた。

2桁白星を挙げれば、東前頭14枚目で12勝3敗の優勝次点だった、23年夏場所以来、14場所ぶりとなる。その間、皆勤は5場所のみ。けがで途中休場や途中出場が相次ぎ、昨年7月の名古屋場所では左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けが。長期離脱を余儀なくされていた。今年3月の春場所で三段目から再起してからは、この日で27勝5敗と高い勝率で番付を戻してきた。

再起後に増えたコメントは「相撲を取れる喜び」。特に今場所から関取に復帰し、先場所までの1場所7番から15番となった。勝ち負けを超越した、真っ向勝負の毎日は充実感にあふれている。2桁白星を目前にして「1番1番集中していけば、結果はついてくる」と自信も戻ってきた。相撲勘も日に日に取り戻し、気力も充実し、1場所でも早い幕内復帰を見据えている。