幕内経験者の人気力士で、東幕下31枚目の炎鵬(30=伊勢ケ浜)が、3場所ぶりの勝ち越しを決めた。東幕下35枚目の佐田ノ輝を押し出して4勝2敗。相手に2度突っかけられた後、3度目の立ち合いで、押し込まれたが上体をのけぞらせてこらえると、前に出続けた。懐に入れたくない相手の突っ張りをかいくぐり、距離を詰めて土俵外へと追いやった。

取組後、2度の立ち合い不成立で審判部に呼び出され、注意を受けた。「2回も待ったをしてしまったので」と反省。取り口も「納得はしていない」と、理想通りではなかったという。それでも「自分が何をやるか、相手が何をしてくるか頭にあった。イメージした中で相撲を取れた」と、さまざまなパターンを想定した中に収まり、勝ちきった。けがで途中休場した先場所も含め、3場所ぶりの勝ち越しには「うれしいですね。相撲を取れることもうれしい」と、かみしめた。

首の大けがで7場所連続休場し、十両から序ノ口まで番付を下げた。そこから昨年7月の名古屋場所で再起し、幕下までは順調に番付を戻してきた。幕下では一筋縄では勝てなくなっているが「いつまで相撲をできるか分からない。今日、終わるかもしれないし、明日、終わるかもしれない。そのつもりで毎日、勝つためにやっています」と、並々ならぬ決意で土俵に立っていると打ち明けた。毎日が背水の陣、引退と隣り合わせの決意だった。

だからこそ、日々の体のケアも「かなり気を使っています。頭の先から足の先まで。神経を張り巡らせて、やっています」と、土俵上や土俵周りだけではない努力の一端を明かした。「その日できることを精いっぱいやる。それを今日はできたかなと思います」。1番の重みを感じながら、今場所残る1番へ、最大限の準備をして臨むつもりだ。