西十両3枚目の錦富士(29=伊勢ケ浜)が、同8枚目の荒篤山を押し出し、9勝目(2敗)を挙げた。十両の優勝争いトップを守るとともに、青森県の歴史を守るかもしれない大きな1勝になった。

10日目に勝ち越しても、油断はなかった。周囲も8勝では十分でないことを知っている。「みんな、今場所の状況を分かってるんで、自分も勝ち越しがゴールじゃないと分かっている。1番1番、勝ち続けられるように準備をしたいです」と落ち着いて話した。

青森県出身の幕内力士は、1883年から142年も途切れていない。現在、唯一の幕内となっている尊富士が右上腕二頭筋断腱(けん)裂で全休の見込み。来場所は十両への陥落が確実で、錦富士が再入幕を果たさない限りは、記録がストップする。

弟弟子の尊富士からは「相当仕上がってるんじゃないですか。お願いします」と活躍を期待されている。「本当は、お前が(青森出身の関取で)一番若手だろって気持ちですが、ケガはしっかり治してほしい。毎日、自分の相撲の時より緊張して見てくれてるみたいなんで。自分の方が意外と冷静なんですよ」。

幕内からの陥落が有力な力士は、尊富士と錦木。十両からの昇進力士は、今後の成績次第だ。錦富士は「わらにもすがるつもりで」、連勝している6日目以降、ひげを剃っていない。この9勝目は大きいが「油断できないんで、毎日1つずつ。それでここまで来たんで、毎日変わらずやります」。ここから1勝を積み上げるごとに、歴史をつなぐ可能性が高まっていく。

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