SKE48磯原杏華(19)が25日、名古屋のSKE48劇場で卒業公演に出演した。セレモニーでは同期の2期生、加藤るみ、斉藤真木子と「天使のしっぽ」を、親友の江籠裕奈、二村春香と「ツンデレ!」を歌った。ファンも盛大な「杏華コール」を送りながら、そろいの緑のペンライトを振り、最後の花道を演出した。

 昨年12月に卒業を発表した。在籍2500日の区切りとなる31日で、SKE48としての活動を終える。「2500日の1日目から見つけてくれた人は、今はほとんどいないだろうけど、一時期だけでも一緒に走ってくれた方がいた。当時の私を支えてくれたのは、まぎれもないファンの皆さんだった」と感謝した。

 09年加入の2期生。研究生時代は1年以上、劇場公演のアンダー(代役)出演すらできなかった苦労人だが、担当以外のポジションを覚える「スーパーサブ」的な役割で頭角を現した。その思いをつづったグーグルプラスの投稿が話題になり、秋元康総合プロデューサーが「全研究生よ。SKEの磯原杏華の記事を読め! チャンスの意味がわかるぞ!」とメンバーに呼び掛けた。

 活躍は劇場公演にとどまらなかった。選抜総選挙では、14年の44位を最高に、13年から3年連続でランクイン。15年には「コケティッシュ渋滞中」で、SKE48の選抜に初めて選ばれた。出番に恵まれない研究生から、選抜まで上り詰めた磯原を慕う後輩メンバーも多かった。

 そんな磯原に、斉藤は手紙をしたためた。「今では誰もが評する磯原杏華。こんなにも応援しがいのあるアイドルはいたでしょうか? いつも誰かのお手本でいてくれた」。磯原は手紙を涙ながらに受け取ると、斉藤と抱き合った。

 今後は東京へ進出し、女優を目指す。「再会できるように走り続けたい。アイドルとしての磯原杏華は終わりですけど、これからのきょんちゃん(磯原の愛称)を応援し続けたいと思われる人であり続けたい」。最後は思い出の「コケティッシュ-」をチームメートと披露した。最後は「どんなことがあっても、後ろなんか向かずに前のめりに行きたい」と元気に宣言し、ステージを下りた。