第9回AKB48選抜総選挙の開票イベントが17日、沖縄県内で無観客で行われ、指原莉乃(24)が史上最多となる24万6376票を獲得して1位に輝き、3連覇を達成した。開票イベントが雨天中止になったことを代表して謝罪し、グループの危機感あらわに「AKB48グループを見捨てないでください!」と訴えた。2年連続で2位となった渡辺麻友(23)は年内いっぱいでのAKB48卒業を発表した。

 2位で名前を呼ばれると、渡辺は一瞬、残念そうに苦笑いした。ファンへの感謝を述べた上で、「私、渡辺麻友は、AKB48を卒業します。外の世界に飛び出して、また、一から新たな挑戦をさせていただきたいと思います」と発表した。09年の第1回選抜総選挙で4位に入った「元祖神セブン」の最後の1人で、全9回全てトップ5入りした「神セブンの申し子」。10年以上ひた走ってきたアイドル活動にピリオドを打つ。

 取材によると、渡辺が明確に卒業を意識したのは、15年4月期のフジテレビ系主演ドラマ「戦う! 書店ガール」に出演したころという。プライムタイム(午後7~11時)の連ドラ初主演を果たし「女優」という卒業後の目標がより明確になった時期。その後はスタッフと何度も相談や協議を重ねた。とはいえ、AKB48での活動も充実し続けていたため、タイミングの調整や気持ちの整理などもあり、最初の決意から3年越しの発表となった。

 放送中のテレビ朝日系主演ドラマ「サヨナラ、えなりくん」(月曜深夜0時40分)も、女優としてさらに自信をつけるきっかけになった。婚活中に出会った男性を縛りつけ、鬼の形相で背中や首をたたきつけるなど、吹っ切れた演技が話題に。12年に前田敦子(25)が卒業して以降、AKB48全体のエースとしての自覚から「素」の部分は封印して「王道アイドル」に徹していたが、再び殻を破る契機になった。

 年内いっぱいでの卒業だという。「AKB48メンバーとしての使命を果たしていきたいと思います」と誓った。開票後「卒業は4月ごろ決めました。残していくメンバーに、このタイミングで背負わせてしまって申し訳ない気持ちです」と、後輩たちを気遣った。同じ総選挙1位経験者のOG、前田敦子と大島優子(28)も進んだ、女優の道へ歩き出す。

 ◆渡辺と総選挙 09年の第1回から全て立候補し、順位は4→5→5→2→3→1→3→2。第1回では「5位以内には私には荷が重すぎると思って、絶対だめだと思っていた」と控えめにコメントしたが、第2回では「やっぱり私は悔しい。今度こそは正真正銘のCGレボリューションという私の革命を起こしたい」と泣きながら誓った。第4回で大島優子に次いで2位となり「これからは、私たちのような若い世代が、新しい道を切り開いていかなければいけない。来年1位を取りたい」。第6回で初めて1位となると「AKB48グループは、私が守ります!!」と宣言し、「まゆゆ」の大コールを浴びた。昨年の第8回では「正直、今AKB48はピンチだと思います」などと危機感を募らせていた。