AKB48峯岸みなみ(28)が、明日22日に横浜・ぴあアリーナMMで卒業コンサート「桜の咲かない春はない」を行い、同28日には東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行う。

最後の1期生で、昨年12月に結成15周年を迎えたグループの生き字引とも言える峯岸のアイドル人生を4回にわたって連載で振り返る最終回は、今、AKB48について思うこと、そして後輩たちに送るエールとは-。【取材・構成=大友陽平】

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結成当初は何者かも分からなかったグループは、握手会、選抜総選挙、じゃんけん大会など、さまざまな仕掛けでこれまでのアイドルの概念を覆し、ブレークした。波瀾(はらん)万丈ありながら、その全てを経験してきた。楽しかった思い出を挙げてもらうと、何げない日常のことだった。

「1期、2期というか、楽屋で(大島)優子がバカやって、たかみな(高橋みなみ)がいじられて、それを見てる、あっちゃん(前田敦子)とか、ともちん(板野友美)が笑ってて…みたいな光景はすごい楽しかったですね。なぜか、それをすごく思い出します。そんなたわいのない空間が好きでした」

年齢や年次の離れた“第2の同期”と呼ぶ後輩たちにも支えられた。後輩への感謝の思いも尽きないが、感じることもあるという。

「例えば、昨年シングル『失恋、ありがとう』で3年ぶりくらいに選抜になって感じたのは、今は姉妹グループから集まってきているというのもありますが、みんなで一緒に頑張ろう! というよりは、ある人はセンターを目指したい、ある人は個人の知名度を上げたいとか、それぞれ目指している場所が違うのかな? と感じました。もちろん、それが本来のAKB48のコンセプトではあるんですけど、寂しさを感じたことも事実です」

ブレーク期と現在を比較することが全てではなく、峯岸もただ「あの時は良かった」と言っているわけではない。現在のメンバーに、もっと自信を持っていいと感じているのだ。

「うちのセンター最高でしょ? とか、私たち最強だよね! と、やっぱり当時はノリノリだったので。今は、いろいろ特色のある他のアイドルグループも増えてきていますが、周りを寄せ付けないほど自分たちを信じたり、そういうのがもう少しあると、安心して応援してもらえるんじゃないかなと思います。だって、お店の店員さんが自信なさげだったら、買わないじゃないですか? もっと自分たちが最強で最高! もっと見て! というグループであってほしいと思います」

自信を持つことは容易なことではない。ただでさえ、グループ内だけで多くのメンバーがいる。

「自分の居場所は、自分で作るしかないんですよね。1つでも得意なこと、頑張れそうなことを頑張って、自分の居場所を作るのは大事。私の場合、その1つがバラエティーだったと思います。この15年半で思ったのは、やりたいと思っても、求められなければできないということです。なりたい自分と、世間が求める自分が違うことはあります。がむしゃらにやることはみんな出来ると思いますが、自分はこういう風に見られてるから…と求められる方向でも頑張れる人が成功するんだと思います。私もまだまだ頑張ります!」

紆余(うよ)曲折あったアイドル人生だった。

「私が最後までいたのは、ほめられたことでいた部分だけではないので『ここまでいてくれてありがとう!』という意見だけじゃないと思います。本当にいろいろあったので、しがみついてるという人もいるだろうし、早く辞めてほしかった人もいると思います。そんな私が、いろいろなことがあって最後までいたからこそ、最後くらい『いてくれてありがとう』と思ってもらえる卒業コンサートにしたいんです。私がいたからこそ見られる景色…それを作り上げるコンサートにしたいです」

最後の1期生。峯岸みなみこそ、酸いも甘いも経験しリアルな成長物語を見せる「AKB48」を、1番体現してきたメンバーだったかもしれない。(おわり)

 

◆峯岸みなみ卒業コンサート「桜の咲かない春はない」 5月22日午後5時30分~、横浜市のぴあアリーナMMで開催。コンサートの模様は、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」で無料生配信される。コンサート終了後には、同アプリで「“アフタートーク”ライブ配信」も実施。