幼少期に、家族で一緒に映画を見ていたことから、映画には一層の特別な思いを持つ。俳優兵頭功海(23)。現在は、動画サービスABEMAで配信中の連続ドラマ「ブラックシンデレラ」(木曜午後10時)で、主人公が恋する男子の親友・滝川隼人を好演している。

野球に青春をささげた高校球児が俳優業やモデル業へと活躍の場を広げて急上昇中の兵頭功海(2021年5月撮影)
野球に青春をささげた高校球児が俳優業やモデル業へと活躍の場を広げて急上昇中の兵頭功海(2021年5月撮影)

今日10日、いよいよドラマが完結する。すでに撮影は終えており、兵頭は「僕にとって、高校生役を長い期間、撮影することが初めてでした。高校時代は、野球をやっていたので、また違った青春を味わえました。また、新しい青春時代をともにした同志ができた作品ですね」と振り返った。

同作は、自分に自信が持てない平凡女子が、外見主義に立ち向かいながら夢や恋に奮闘する逆襲ラブストーリー。高校が舞台になっているが、兵頭はプロを目指していたほどの高校球児だった。「本当に野球しかやっていなくて、野球のために高校に行っていました。朝練に行って、学校終わって、また夜遅くまで練習して、みたいなことが毎日でした。それこそ、当時の野球部はすごく厳しくて、帰り道にどこかによるのも禁止で、携帯所持も禁止で。走っているとか、投げているとかしか思い出せませんね」と笑った。

青春をささげた高校野球では投手として活躍した兵頭功海。ピッチングフォームを披露してもらった(2021年5月撮影)
青春をささげた高校野球では投手として活躍した兵頭功海。ピッチングフォームを披露してもらった(2021年5月撮影)

幼なじみの友達に憧れ、小学4年から始めた。ポジションはピッチャー。だが、大好きだった野球は高校で終わりを迎えた。「夏の最後の大会は投げていなくて、応援していました。決勝戦まで行って、あと1回勝てば甲子園だったのに、スタンドにいました。もし、そこで投げていたら、今頃野球やっているのかなとも思いますが、熱が冷めてしまったんです。仮に、一番理想のプロ野球選手になれたとしても、一生野球をやるというのが、もう無理だなって、僕のなかで思っちゃったんです」と告白した。

その後、母に「東京行けば」と言われ、上京を決意。芸能界に憧れはあり「小さい頃から、テレビに出ると言っていました」。当時は野球選手としてのテレビ出演を夢見たが、雑誌や、映画を見て徐々に興味を持ち、俳優への道を志した。

兵頭はよく「映画俳優になりたい」と口にする。そこには理由があった。

「ドラマも、もちろん出たいです。でも小さい頃、金曜日の夜に、家族でソファに座って毛布掛けて映画を見ていたんです。そういうのもありましたし、映画はお金を払って、わざわざ映画館に見に行く。その人が何かを求めていて、その作品に出合うために行く。見た後に多分、何かが変わっていて。それってすごい、僕が役者を目指した理由でもあるように、すてきだなって思うんです。だから映画には出られるようになりたいですし、僕のおかげで、なにか変わった人がいてくれたら、すごい幸せだなと思います」。

19年には、テレビ朝日系「騎士竜戦隊リュウソウジャー」に、カナロ/リュウソウゴールド役で出演。「出演が決まった日は、携帯の充電の減りがすごかったです」と、笑いながら反響の大きさを明かした。

デビュー3年目だが、台本に文字を書き込まない、マイルールがあるという。「完成した台本に、自分の文字を書き込むのが好きじゃないんです。脚本家さんが一生懸命、練って書いてくださったものに、僕の字を書きたくないなって」。

その代わりに、その時の感情、演技上での注意点を書き込むノートを作成した。それは今も続く習慣となり、6冊目に突入するという。「今、『野球の春大会1回戦の時の感情を思い出して』と言われても、どんな感情だったか、思い出せる記憶力がなくて。今から戻ることはできないけど、俳優業を始めた時から書いていれば、この業界で長く続けられたとき、財産になるかなって思ったんです。積み重ねていくことを、1つだけやっておきたいなって思ったんです」。

ノートを1ページ開いた硬い表紙裏には、マッキーで目標を書くという。そこに書いてある目標は「達成してから明かしたい」と教えてくれなかったが、名前の由来とともに、別の目標を語ってくれた。

「最近、海外に行きたいと思っています。僕が台湾と日本のハーフというのも関係していますが。名前の由来が『自分のやった成功が、海を渡って世界に広がりますように』なんです。最近、中国語とかも勉強し始めていて、1つ自分の目標として、海外でも、日本の俳優として活躍できる俳優になりたいです」。

兵頭の人なつっこさも、1つの武器。今後のさらなる活躍に注目だ。

◆兵頭功海(ひょうどう・かつみ) 1998年(平10)4月15日、福岡県生まれ。18年、GYAOとアミューズが共同実施したオーディションで、グランプリを受賞。映画「五億円のじんせい」でデビュー。以降、MBS系ドラマ「社内マリッジハニー」など、多数出演。特技は野球、歌、ギター、水泳。身長185センチ、血液型B。

野球に青春をささげた高校球児が俳優業やモデル業へと活躍の場を広げて急上昇中の兵頭功海(2021年5月撮影)
野球に青春をささげた高校球児が俳優業やモデル業へと活躍の場を広げて急上昇中の兵頭功海(2021年5月撮影)