新型コロナウイルスの変異種オミクロン株の感染拡大が止まらないここロサンゼルス(LA)では、連日4万人超えの新規感染者が出ており、15日にはこの10か月ほどで最多となる66人の死者も記録するなど厳しい状況が続いています。

寒さに耐えながらコロナウイルスの検査を待つ人々(米ニューヨーク=ロイター)
寒さに耐えながらコロナウイルスの検査を待つ人々(米ニューヨーク=ロイター)

感染爆発に歯止めがかからない中、LA郡公衆衛生局は今後数週間ワクチン未接種者やリスクが高い人たちと屋内で接するような、不要不急の外出を避けるよう住民に呼びかける事態になっています。そこで気になるのが、これから数カ月続くハリウッドの授賞式シーズンがどうなるのかということです。ハリウッドではこの先3月下旬のアカデミー賞授賞式までイベントが目白押しですが、すでにいくつもの授賞式や映画祭が中止や延期を発表しており、今後予定されているアカデミー賞を含む授賞式の開催にも影響が出ることが懸念されています。

昨年は多くのイベントが中止や延期を余儀なくされ、オンラインでの開催に変更したり、出席者を限定して規模を縮小するなど感染対策を講じたうえで実施した授賞式もありました。今年はコロナ禍になって以降初めて、授賞式が盛大に開催できることが期待されていましたが、オミクロン株のまん延を受けて状況が一変しています。

今月7日に開催予定だったAFI(アメリカ映画協会)賞昼食会と、9日に予定されていたクリティックス・チョイス賞(放送映画批評家賞)、15日のアカデミー賞の特別賞に当たるガバナーズ・アワード授賞式は延期となり、31日にロサンゼルスで開催予定だった音楽の祭典グラミー賞授賞式も延期が発表されています。

また、ユタ州で毎年1月中旬から下旬にかけて開催されている、世界最大のインディペンデント映画祭として知られるサンダンス映画祭もオミクロン株の拡大を受け、昨年に引き続き対面での開催を断念し、オンラインのみで実施することが発表されています。また、多くのハリウッドセレブが出席することで毎年注目される、ロサンゼルス近郊のパームスプリングスで1月上旬に開催されるパームスプリングス国際映画祭も2年連続で中止となっています。

現時点では、2月27日のSAG賞(全米俳優組合賞)、3月12日のDGA賞(米映画監督組合賞)、3月27日のアカデミー賞授賞式は予定通りの開催が見込まれていますが、状況次第では延期される可能性もゼロではありません。また、開催できたとしても出席者の人数を減らすなど規模を縮小して行う可能性もあり、今後のオミクロンの感染状況を注視する必要がありそうです。

グラミー賞はまだ新たな日程が発表されておらず、他の授賞式との日程の兼ね合いから4月以降にずれ込む可能性もあり、流動的な状況となっています。

「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(撮影・河田真司)
「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(撮影・河田真司)

次に開催が見込まれる主要映画賞は、2月26日に開催が予定されているアニメ界のアカデミー賞と言われる第49回アニー賞授賞式です。今年は長編アニメーション(インディペンデント)部門に、日本から「竜とそばかすの姫」「映画大好きポンポさん」「漁港の肉子ちゃん」の3作品がノミネートされており、日本作品の受賞に期待が持たれています。

また、3月27日に開催予定の第94回アカデミー賞でも、2月8日に発表されるノミネートで、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が日本映画として史上初となる作品賞ノミネートがなれば、2020年の「パラサイト 半地下の家族」に続いて作品賞と長編国際映画賞のWノミネートも期待されるだけに、予定通りの開催を望みたいところです。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)