3月27日に開催される第94回アカデミー賞に今年は「ドライブ・マイ・カー」が作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門でノミネートを果たし、日本でも久しぶりにアカデミー賞の行方に注目が集まっています。今年は他にどのような作品が候補入りしているのか、授賞式までにチェックしたい注目作品を2回に分けて紹介します。
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」 ネットフリックスで配信中
最多12部門にノミネートを果たした「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は、ネットフリックスのオリジナル映画として初の作品賞受賞が期待されており、今年の賞レースの大本命と言われています。
メガホンを取るのは、「ピアノ・レッスン」(1993年)で女性監督として初のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したジェーン・カンピオン監督。1920年代のモンタナ州を舞台に屈折したベネディクト・カンバーバッチ演じる牧場主と地味な性格の弟との亀裂を描いた作品です。一見すると地味なストーリーに思われますが、人間関係や感情の起伏がとてもうまく描かれており、俳優陣の演技も素晴らしく、どこまで受賞数を伸ばせるのか楽しみです。
「DUNE/デューン 砂の惑星」 3月2日ブルーレイ&DVDリリース
フランク・ハーバート氏による同名SF小説をティモシー・シャラメ主演で「ブレードランナー2049」(2017年)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。人類が地球以外の惑星に移住して帝国を築いている未来の宇宙が、圧倒的な映像とスケール感で描かれています。
本作は2部作のパート1になっており、続編は来年秋に公開を予定しています。作品賞の他、視覚効果賞や撮影賞、編集賞など10部門にノミネートされており、技術部門での受賞が本命視されており、今年の最多受賞作となる可能性もあります。
「ウエスト・サイド・ストーリー」 劇場公開中
1950年代のニューヨーク、マンハッタンのウエスト・サイドを舞台に夢や成功を求めて暮らす移民たちを描いた名作ブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」をスティーブン・スピルバーグ監督が2度目の映画化。
社会の分断や貧困、差別に直面する若者たちは同胞の仲間と集団を作って各グループが対立する中、ポーランド系グループの元リーダーと、敵対するプエルトリコ系グループのリーダーの妹が運命的な恋に落ち、2人の禁断の愛が周囲の人々の運命を変えていくストーリーは、世代を越えて多くの人々を魅了し続けています。作品賞や監督賞など7部門にノミネートされており、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」(1998年)以来となる3度目の受賞にも期待がもたれています。
「ベルファスト」 3月25日日本公開
トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞した「ベルファスト」は、メガホンを取ったケネス・ブラナー監督の幼少期の体験を投影した半自伝的な作品。1960年代の同監督の出身地である北アイルランドの首都ベルファストを舞台に少年の目線から見る日常と激動の時代が白黒で描かれています。作品賞、監督賞、キアラン・ハインズの助演男優賞、ジュディ・デンチの助演女優賞など7部門に名を連ねています。
「ドリームプラン」 23日より日本公開
アメリカの女子テニス界最強プレイヤーと称されるビーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育て上げた父リチャード・ウィリアムズ氏を描いた実話。テニスの素人ながら独学でテニス教育法を学び、コーチとして娘を世界トップ選手に育てた父親をウィル・スミスが演じています。作品賞、スミスの主演男優賞、脚本賞など6部門にノミネートされています。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)





