プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で熱戦を繰り広げるDリーガーの素顔に迫る連載「Dリーガーのオドリバ」第7回は、BenefitOne MONOLIZの花歩(20)と、SEPTENI RAPTURESのMiYU(17)の姉妹対談です。【取材・構成=大友陽平、写真・動画=鈴木みどり、青山麻美、大野祥一】
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-現在は2人で生活をしている?
花歩 今は2人で暮らしてます!
-違うチームに所属している。家の中でバチバチしたりは?
MiYU それはないですね! けんかとかも、最近はないです。
花歩 試合に対してのバチバチを、家に持ってくることは、始まって以降一切なかったです。
-お互いのパフォーマンスについて話したりは?
花歩 ROUNDが終わった後に、2人で反省会じゃないですけど、全チーム見返す時間は作ってます。実はここ間違えたとか、そういう話はします(笑い)
-ダンスのジャンルが全く違う2人。ダンスを始めたきっかけは?
花歩 私が先に始めました。小さかったのでちゃんときっかけを覚えてなくて…。近所にダンススタジオができて、そこにお母さんが連れていってくれたのがきっかけです。
MiYU 私は横で一緒に踊っていたみたいです。それが3歳の時で、お姉ちゃんの影響で始めた感じです。
-当時のジャンルは?
花歩 ベースはジャズでした。
MiYU 同じくです。
-その後は?
花歩 ジャズをべースに7年くらいやっていて、中1の時に(MONOLIZのディレクターの)HALさんのレッスンに通うようになりました。そこからヴォーグにも触れるようになって、ジャズ、ジャズヒップ、ヴォーグの3種類を主にやっていました。
MiYU 本格的にダンスを始めたのが小3の時で、その時に自分の今の師匠でもあるKYOKAさんに出会って、そこからお父さんもダンスにすごい興味というか、ダンス愛みたいなのがめちゃ強くなって、ずっと一緒に見てもらっています。その時から、ガラッとダンスの人生という感じになりました。
花歩 お父さんは、どこに行くにも、自主練の時もずっと見てるという感じでした。常に親がいましたね。
-今もダンスの話は?
MiYU あります!
花歩 テレビ電話とかで、ROUND終わりとかに「これがこうだった」とか、そういう話とかもしています。
-2人で一緒に聞くんですか? ROUND毎に家族会議が開かれるみたいですね
2人 そうなんです!
花歩 めちゃ親と仲が良いというか、ずっとこんな感じです。
-同じダンス業界にいてお互い刺激になる?
花歩 きょうだいが4人いるんですけど、MiYUと私だけがダンスをずっと昔からやっています。ずっとそばでダンスをやってきたので、ジャンルは違えど、MiYUはこの年齢で海外を飛び回っていたりとか、ソロでバトルとかで優勝して来たりしている姿を見ていると、自分もめちゃ刺激をもらえます。
MiYU おぉ~(照れ笑い)。私は人として尊敬することが多くて。意識も高いし、自分は結構大ざっぱというか、何でも「やったらできるわ!」みたいな適当なところがあるので、常に何事にも真剣に取り組んでいる姿というのがダンスにも出ていて、すてきな人だなって…。
花歩 うれしい!(笑い)
-きょうだいの中で年齢が近い2人。ダンス以外では?
花歩 きょうだいの中では1番けんかしてたかもしれないです…。
MiYU きょうだいの中で1番、仲悪かったかも(笑い)
花歩 女の子なんですけど、めちゃ殴り合いのけんかをしたり…(苦笑い)
MiYU 服を勝手に着たとか、花歩が持っているコップを勝手に使ったりとか…。それがお互い散り積もって爆発するというか(笑い)。花歩がいない時に、勝手に服を着て…。
花歩 インスタグラムに載せたりするんですよ!(笑い)
MiYU 花歩も勝手に私の服を着ている時もあります!
-それぞれのリラックス法や、マイブームは?
花歩 絵を描くこととか、洋服のデザイン書いたりするのが好きです。
MiYU ずっと服とかアクセサリーとか、サングラスが好きで、あとは香水を集めたりとか。最近はカメラが好きで、お父さんの一眼レフを勝手に使ってます(笑い)
花歩 あとは料理です! 基本、私が作ります。
MiYU 何でもおいしい! メニューがなくても冷蔵庫にある材料で作れるので…。最近作ってもらったタコライスは、お店で出せるレベルだと思いました!
-ダンスのプロリーグができると聞いた時は?
花歩 正直、ダンス界にプロリーグができることは想像していなかったです。ただ令和に入ってからダンスがブームになってきていて、誰でも踊っている環境にあると思うんですけど、ダンスにいい風が吹いたらと思っていましたが、こんな本格的にプロダンスリーグというのが始動することで、ダンス界が変わる! と思いました。その時に自分が声かけてもらって「私で大丈夫ですか?」と思う反面、やっぱりうれしさが勝ってました、めちゃうれしかったです。
MiYU コンテストもバトルもショーケースとかもいろいろやってきた方だと思うんですけど、大人数で出るということとか、D.LEAGUEが日本発というのを聞いて、企業さんと契約して…という話を細かく聞いた時は、今までにない大きさの規模のことだと思いました。やりたい、チャレンジしたいという思いが強かったです。
-姉妹で情報交換したり、相談したりは?
MiYU 出ると決まったのは、花歩の方が先だったと思います。花歩が先に聞いていたので、その話を聞いた時に何それ? D.LEAGUEって何? って。
花歩 お互いそういう感覚でしたね。
-実際にそれぞれのチームに入って戦ってみて
花歩 想像以上にメンタルもそうですし、勝敗に左右されてしまう部分はあるなと思います。特に私のチームは初戦から最下位が続いたというのもあって、ダンスはすごく楽しいはずなのに、どんどん自信をなくしてしまったり、その中でどうやって自分のモチベーション上げていくかとか、個人戦ではないので、いろいろな感情を持った人たちがいるので、そこをまた1つにするのは難しい部分もありました。想像以上にきついと思う部分もありましたが、それ以上にこれだけ毎日ダンスを踊ることが私はなかったので、改めてダンス楽しい! って思えましたね。
MiYU 2週間に1回大会があってハードなんですけど、自分のチームも前半は結構順位が低い方で、D.LEAGUEって勝ち方の正解もないと思うんですけど、どうしよう…みたいな悩みとか、どうやったら勝てるのか、見ている人に伝わるのか? とすごく考えて、考えて…。どんどん順位も上がってきて、みんなのモチベーションもグンと上がって、それもD.LEAGUEの楽しさなのかなと思っています。良い時も、悪い時も、みんなで1つになって作品を作ってという大事な時間だなとか、いい経験ができているのは本当にうれしいことだなと思いますし、D.LEAGUEというものが、世界にどんどん広まっていくようにしていけたらなと思います。
-お互いのことやチームについてどう見ているか?
MiYU 姉妹というのもあると思うんですけど、変わってないですね(笑い)。もちろんプロ意識とか、人として意識する部分は強くなっていると思います。MONOLIZは、“強い女性”というイメージというか、1人1人がきれい…。花歩に関しては、身長も高いですし、どこにいても目立つというか。花歩が1番だと思っているんで…(照れ笑い)
花歩 ありがとうございます!!(笑い)。MiYUは、小さい時から周りよりもかわいかったし、ダンス始めてからお父さんもよく言ってたんですけど、ダンスが下手でも、MiYUのやる気とかエネルギーが輝いて見えていて、すごくスター性のある子だなっていうのは、悔しいけど思ったんです。なんか目をひく、力を持ってるなって。個人で活動してる時もそれを感じてましたけど、Dリーガーとして8人で踊っていても、端にいても、体も小さいから、誰よりも大きく踊らないといけないけど、そこの見せる力とか、もともと持ってる輝きが、D.LEAGUEでもいかされていると思います。
MiYU ありがとうございます!!(笑い)
花歩 RAPTURESは、メンバーの方と触れ合うことも多いです。ディレクターのakihic☆さんがいてのRAPTURESで、あのおもしろさや、みんなを巻き込む台風みたいな感じで、同じ勢いでついていってるのはすごいと思いますし、リーダーのRIRIKAちゃんも、私もかわいがってもらっているんですけど、チームとしてじゃなくて、プライベートでも学ぶことが多いんです。1つ1つの言葉とかもそうですし、みんなすごく説得力があるんです。
-残り2戦に向けて
花歩 私たちのチームは、点数的に上位4チームに入ることは難しいんですけど、それは分かっていても、MONOLIZはこの残り2戦で、D.LEAGUEに伝説を残そうという感じで作っています。D.LEAGUE史上でも激アツで、ヤバい試合になるだろうと思います。結果は残せなくても、MONOLIZとしてのカラーだったり、ヴォーグという他のチームにないジャンルを軸にやっているので、ダンス界に爪痕を残せたらなと思っています。私たちのやりたいように、最後まで貫いてやろうと思ってます。
MiYU 総合ランキングで3位にいるんですけど、5位になってもおかしくない点差で、結構あせっているのが正直なところです。1番最後のROUNDはやることが決まっていて、ROUND.11に向けては、今まで出てきた人たちとかを全部含め、誰もがやったことのないようなチャレンジをする作品になっているので、もちろん優勝を狙いつつなんですけど、こっちも伝説を作れるように、爪痕残していきたいと思います。
-個人の目標は?
MiYU 将来的な話でいうと、海外に住んで活動したいというのがあります。まずは日本で、日本人全員がMiYUのことを知ってますと言われるぐらいの超有名な人になりたいです。それくらい影響力もあって、人としてもすてきな人になりたいなと思っています。D.LEAGUEを通して、SEPTENI RAPTURESを有名にしていきたいというのもあるんですけど、個人としても有名になるために、D.LEAGUEでしっかり頑張って、CHAMPIONSHIPも優勝して、まずは、親に家を建てたいです。そして他の活動も頑張り、海外に住みたいと思います。ニューヨークに住みたいんです。人生で初めて海外に行ったのがニューヨークだったんですけど、刺激も受けて、自分の好きなダンサーもたくさんいますし、街も好きだし、全てに刺激をもらえるのがニューヨークなので。
-家を建てるのは姉妹の夢でもある
MiYU そうですね! 2人で家を建てたいです!
-個人の目標は?
花歩 以前は芸能事務所に所属していました。その時にミュージックビデオで演技のお仕事とか、モデルのお仕事もさせていただいていて、人前でマイクを持ってラップをやったり、アーティストっぽい活動とかもさせていただいていました。いろいろな経験をさせていただいたんですけど、結局続けているのはダンスです。ダンスを1つの武器として、特にモデルの仕事、いったら芸能活動なんですけど、そういう面でダンスを生かしつつ、踊れるモデルとか、バチバチ踊れるアーティストとか、肩書をつけて芸能活動したいなというのは個人の目標です。夢のステージなのは、パリコレなんですけど、親にいただいたこの高身長を生かしつつ、存分に生かせる場として、あのランウエーを歩きたいというのは夢です。
-2人が世界のステージで共演するのも楽しみです!
◆花歩(かほ)2001年(平13)1月11日、大阪府生まれ。5歳からダンスを習い始め、ジャズ、ヴォーグ、コンテンポラリーなどさまざまなスタイルを学ぶ。中3から「EXPG STUDIO OSAKA」に所属。「EXPG Lab」や、PATTYの一員として、LDH所属アーティストのライブのサポートダンサーを務める。
◆MiYU(ミユ)2004年(平16)1月23日、大阪府生まれ。3歳からダンスを始め、8歳から本格的にヒップホップを開始。「WDC KIDS ALLSTYLE」など国内外のコンテストや大会で優勝を経験。「#自民党2019『新時代』編」や「UNIQLO KIDS WEB CM」などCMにも数多く出演。
◆ROUND.10(5月18日)ハイライト KOSE 8ROCKSが、10戦目で悲願の初勝利を挙げた。SPダンサーとして、ブレイキンチーム「九州男児新選組」からRENとSHUVANの2人が参加。ブレイキンならではのアクロバティックなパフォーマンスで圧倒。総合順位も、4位と5ポイント差の5位につけた。
レギュラーシーズンは残り2戦。CHAMPIONSHIP(7月1日、東京ガーデンシアター)進出争いも白熱する8日開催のROUND.11からは、これまでDリーグオフィシャルアプリの有料会員のみが投票可能だった「オーディエンス票」が、誰でもアプリから投票できるようになる。パパイヤ鈴木(54)CHEMISTRY川畑要(42)らがゲスト審査員を務め、ゲストアーティストにはAKLOが登場する。