大学生の皆さん、就職活動は順調でしょうか? アナウンサーの採用試験はオーディションに似ていますが、就活に他なりません。特に最近は即戦力を求められる傾向がありますので、一発勝負よりも、きちんと準備するのがおすすめ。今回はよく聞かれる「自分もアナウンサーになれますか?」にお答えします。

トーク編26「アナウンサーになれるのはどんな人か~就活編①~」

 【前回までのあらすじ】ダイエット編と並行して連載中のトーク編。アイドルやアーティストに行っているトークレッスンの内容を公開しています。今回はレッスンをちょっとお休みして、就活生に向けてのメッセージ。

イベント「大喜利ナイトCULTURE」でMCを務めた五戸です。左から五戸、佐藤満春さん、伊福部崇さん、伊倉愛美さん、R藤本さん(2017年6月、渋谷・東京カルチャーカルチャーで)
イベント「大喜利ナイトCULTURE」でMCを務めた五戸です。左から五戸、佐藤満春さん、伊福部崇さん、伊倉愛美さん、R藤本さん(2017年6月、渋谷・東京カルチャーカルチャーで)

就活の出遅れが一番のNG

 今大学3年生の方(2019卒)は、エントリーが可能になるサイトがスタートする、いわゆる“就活解禁日”が2018年3月1日といわれていますが、まだまだ余裕だと思っていたら、出遅れてしまうかもしれません。マスコミ、特にアナウンサーの採用試験は早いのが定石で、今年(2018卒)は、2017年1月にエントリーシートを締め切る局がありました。ちなみに私の時(2009卒)は早いところだと大学3年の9月に締め切られました。

アナウンサー試験のスケジュール

 就活は始まると途端にものすごく忙しくなります。“キー局”(在京局)が終わるとすぐ“準キー局”(大阪・名古屋の放送局)の採用が始まり、かと思ったら“基幹局”(札幌・仙台・広島・福岡など)と同時にラジオ局や一般企業の採用試験も始まるので、もうエントリーシートを書くのに悩んだりしている時間はありません。

 そうなると、大学3年の12月までにしっかり準備をしたいところ。となると、あと半年しかありません。がんばれ大学3年生! そこで今回は、アナウンサーの採用試験について、よく聞かれることをお答えします。

「大喜利ナイトCULTURE」で爆笑する五戸です(2017年6月)
「大喜利ナイトCULTURE」で爆笑する五戸です(2017年6月)

「自分もアナウンサーになれますか?」

 まず、一番よく聞かれるのは「こんな私でもなれますか?」という質問。「ミスキャンパスじゃないけどなれますか?」「英語がしゃべれないけどなれますか?」「大学の偏差値が高くないけどなれますか?」、あとは「背が低いけどなれますか?」という相談もありました。

 私は「なれます」と断言します。私はミスキャンパスじゃないし、英語も得意じゃない。大学は4年制大学を卒業見込みならどこでも大丈夫。背の高いアナウンサーと同じくらい背の低いアナウンサーもいますから、身長は関係ありません。

“なれるなら、なりたい”は甘い

 ただ、“なれるなら、なりたい”という考えは捨てたほうがいいのではないかと思います。どんなプロフェッショナルも、“なれるなら、なりたい”くらいの気持ちで目指しても、うまくいかないのではないでしょうか。

 プロ野球選手になりたい高校球児は、野球が好きで好きで、厳しい練習を重ねて、それでもプロの世界に入れるかどうかわからない…だけど“なりたいから、やる”。「プロ野球選手になれるんだったらなりたいなぁ~」程度のモチベーションでは到底追いつけませんよね。アナウンサーも同じです(まれに、受けたら受かっちゃった~みたいな人もいますが…)。

J-WAVE『GROOVE LINE Z』公開生放送で、ピストン西沢さんのアシスタントを務めた五戸です(2017年6月、渋谷VISIONで)
J-WAVE『GROOVE LINE Z』公開生放送で、ピストン西沢さんのアシスタントを務めた五戸です(2017年6月、渋谷VISIONで)

「なりたい」なら目指して

 アナウンサーは素敵な職業です。私はアナウンサーであることが誇りだし、死ぬまでアナウンサーでいたいと思っています。アナウンサーに“なりたい”なら、ぜひ目指してください。もし、自分はなれないと思うなら、きっと向いている職業が他にあるのだと思います。

 同期で、自分は本当になりたいと言っていた友人は、卒業ギリギリに決まった子や就職浪人をした子もいましたが、みんなアナウンサーになりました。

「なりたい」なら全局受けるべし

 そして採用人数はとても少ないので、放送局を限定すると難しいと思います。「東京じゃないと嫌だ」とか「地元の局しか受けない」よりも、「全国どこでも行きます」というスタンスのほうが可能性があります。球児たちの「12球団どこでもOK」と同じですね。

 また、採用試験よりも、入ってからの方が大変なので、生半可な気持ちで目指すのはおすすめしません。(次回トーク編は第27回「アナウンサーの向き不向き」です。前回予告した「気をつけたい言葉遣い」は就活編終了後にお届けします)

本日のごのへの・ご・ろ・く

あなたがなりたいか、なりたくないか、問題はそれだけです