今年も雑誌「ミュージカル」3・4月号(ミュージカル出版社)で「2022年ミュージカル・ベスト10」などが発表されました。これは2022年に上演されたミュージカル作品を対象に、演劇評論家、演劇記者など21人の投票で選出するもので、私も参加しました。

その結果、昨年の初演ベスト10では1位に劇団四季の「バケモノの子」が入りました。四季作品は19年「パリのアメリカ人」、20年「ロボット・イン・ザ・ガーデン」、21年「アナと雪の女王」と4年連続の1位でした。2位には井上芳雄、明日海りお主演「ガイズ&ドールズ」、3位に渡辺直美主演「ヘアスプレイ」、4位に土居裕子・加藤梨里香がダブルキャストで主演した「リトルプリンス」、5位に宝塚歌劇団月組の「今夜、ロマンス劇場で」、6位に屋良朝幸主演「スラムドッグ&ミリオネラ」、7位に宝塚歌劇団雪組の「蒼穹の昴」、同票の7位に柿澤勇人主演「ブラッド・ブラザーズ」、9位に小関裕太・木村達成のダブルキャストに生田絵梨花が出演した「四月の君は嘘」、10位に朝夏まなと主演「モダン・ミリー」でした。

ちなみに、私は「バケモノの子」に最高得点をつけ、「ガイズ&ドールズ」「今夜、ロマンス劇場で」「リトルプリンス」「スラムドッグ&ミリオネラ」の順でした。

再演ベスト5では、1位が井上芳雄、上白石萌音の「ダディ・ロング・レッグス」、2位に「エリザベート」、3位に「手紙2022」、4位に「メリー・ポピンズ」、5位に大竹しのぶ主演「ピアフ」と松本白鸚主演「ラ・マンチャの男」が同票で入りました。「ラ・マンチャの男」はコロナ禍のため1カ月公演の予定が上演できたのは7回のみ。私を含めて、見ることができた人が少なかったための結果でした。

男優部門のベスト5は、1位が井上芳雄、2位に柿澤勇人、3位に市村正親、4位に坂本昌行、5位に浦井健治。女優部門のベスト5は、1位に望海風斗、2位に上白石萌音、3位に渡辺直美、4位に大竹しのぶ、5位に土居裕子でした。柿澤、上白石ともに昨年から大躍進ですが、3月には柿澤は石丸幹二とのダブルキャストで「ジキル&ハイド」、上白石も屋比久知奈とのダブルキャストで「ジェーン・エア」に主演します。今後はさらにこの2人がミュージカル界で活躍していく予感がします。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

ミュージカル「ジキル&ハイド」制作発表での柿澤勇人(2022年12月撮影)
ミュージカル「ジキル&ハイド」制作発表での柿澤勇人(2022年12月撮影)