海洋冒険家の堀江謙一さん(84)が6月に達成した世界最高齢でのヨットによる単独無寄港太平洋横断がギネス世界記録に認定され、先日、拠点の新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)で、認定証の授与式が行われました。

大冒険を終えたばかりですが、早くも「オールデスト(最高齢)の記録をまたいただけるよう頑張りたい」と次の航海の構想を明かしました。何歳になってもエネルギッシュな堀江さん。モチベーションのキープ術はあるのでしょうか?

会見で元気の秘訣(ひけつ)を聞かれると、「日ごろ、暴飲暴食をしない」と挙げ、こう続けました。

「いつも楽しいことを考えていることかな。ヨットのことばかりだけど(笑い)」。挑戦へのモチベーションのキープ術は「楽しいことを考えること」だそうです。

69日間、航行距離約8500キロの航海でしたが、帰港してからは「楽しい日々の連続」だそうです。「だいたい自宅にいて、1日も外泊はしていない。昼間に外出することはあるけど、自宅中心の生活をしている。海には出ていない。航海中は自炊だったので、何を食べてもおいしい。見るもの、触るものが楽しい」。奥さんの手作り料理を堪能し、「日常」を楽しんでいるといいます。

人生100年時代。100歳での航海が大きな目標ですが、「いまこのとき」を大切にしています。

今回の航海に出発する前のインタビューでは「100歳で心臓が動いているかどうか、分からない(笑い)。100歳は願望であって、いま現在、元気なので、このチャンスをいかしたい」と大冒険に出発しました。

今回で3つ目のギネス記録となりますが「84歳ですばらしい賞をいただいた。これからも大器晩成でがんばりたい」とジョークを交えながらも、4つ目のギネス記録には本気です。

次の航海については「基本的には太平洋しかないと思う」。未知の冒険を考え、楽しもうとする気持ちがこれからも世界最高齢の冒険を後押しします。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)