EXILE TRIBE(一族)のTHE RAMPAGEのボーカル川村壱馬(22)と吉野北人(22)が、初めてメインキャストを務める映画「HiGH&LOW THE WORST」(久保茂昭監督、10月4日公開)で奮闘している。普段のパフォーマンスのみならず、初のアクションでも息が合う2人が、さらなる高みを目指す。

★格闘

ともに初めてメインキャストを務めた作品の公開が迫ってきた。期待と不安が入り交じる。

吉野 試写会でメンバーが見てくれて反応もいい中で、いよいよ公開です。どんな風に作品が盛り上がっていくのか楽しみですし、今は不思議な気持ちです。

川村 昨年9月に撮影していたので、やっとという感じと、待ち続けてきたからこそ、今は逆に実感がないですね。

作品では、互いに幼なじみの役を演じている。アクションシーンに挑むのは初体験。映画のプロローグとなる日本テレビ系ドラマ「HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0」では、雨の中、2人で泥だらけになって格闘するシーンもあった。

川村 驚くほど息がピッタリでした! めちゃくちゃ転ぶというのも台本にはなくて、使われているのも、ほとんどアドリブ。アクションでアドリブは危険な部分もあると思うんですけど、互いの息を感じながら、けがなくできました。

吉野 めちゃくちゃ熱いシーンが撮れたという実感もありましたし、気持ちが乗ったというか、戦っている感じが映像からも伝えられたのかなと思います。

14年4月の「ボーカルバトルオーディション(VBA)4」に合格して、RIKU(25)を含めた3人がTHE RAMPAGEのボーカルになった。オーディションの頃から、互いにシンパシーを感じていたという。

吉野 恵比寿の会場で、自分は1人で行ったんですけど、壱馬は別の人と来ていたんですけど、そこでいきなり話し掛けられて…(笑い)。初めて会ったんですけど、初めてという感じがしなかったんです。

川村 オーディションの合宿の時から「北人と一緒にやれたら」って言ってました。直感人間なので、感覚で「そうだ!」と思って。逆にそうじゃないと気持ち悪いくらいの感じだったんです。

★共通項

川村がアーティストを本格的に目指すようになったのは、中3の時だった。物心ついた頃から「将来、俺はテレビに出ていると思っていた」という。

川村 親にも何の根拠もなく「将来テレビに出る」と話していました。漠然としているんですけど、なぜか確信があるんです。そういうケースが人生の中で増えていって、全てがかなってきているんです。

1度、普通科の高校に進学するも、音楽学校に転校し、夢を追い始めた。

川村 ボーカル専攻で、バラードばかり歌ってました。今から比べるとひどいですけど、素質はあるんじゃないかと思っていて、周りからも言ってもらってました。夢を目指したきっかけがTAKAHIROさんだったので、LDHしかないと思っていて、初めて受けたオーディションがVBA4でした。

一方、吉野はバスケ少年だった。中学時代は県で優勝し、ベストプレーヤー賞を獲得したこともあったが、小さい頃から芸能界への憧れもあった。

吉野 小学生の時に、バスケの監督から「芸能界入りなよ」って言われて、意識し始めました。中学の時に女子に「TAKAHIROさんに似てる」と言われて、調べたことからきっかけでEXILEさんを知って、高校生から歌手になりたいという思いがより芽生えました。

高校の文化祭では、尾崎豊の「I love you」を歌った。その時の感覚が忘れられなかった。

吉野 初めて大勢の人の前で歌って、そこから火が付きました。気持ち良かったですね。それからカラオケ大会に出たり、オーディションもたくさん受けるようになって、EXILEさんも好きだったので、VBA4を受けました。

TAKAHIRO(34)という共通項がありながら、2人は導かれるように、同じグループのボーカルとして、デビューした。

★影響力

THE RAMPAGEは、全国のショッピングモールなどを行脚する「武者修行」を2度行った後、17年1月に「Lightning」でデビュー。昨年は全国47都道府県ツアー、今年5月まで全国アリーナツアーを成功させ、着実にステップアップしてきた。

川村 いい感じで来ているという部分もありますし、でもまだまだいきたいという気持ちもあります。まだ序の口です。

吉野 着々と前に進めていると思いますし、この熱があるうちに、もっと上に行きたいです。

川村 いつかドーム、スタジアムツアーをやれるようになったり、誰もが知っているグループになりたいです。今は、目の前にあることの1つ1つに対して、丁寧にやっていくことが大事だと思います。EXILEさんが「日本を元気に」といろいろな人を幸せにしてきているように、そんなグループになりたいです。

ボーカリストとして、俳優として。個人としての志もともに高く持っている。

川村 歌、ラップ、ダンス、役者と全部に妥協したくないです。アーティストとしても120%、役者としても120%という気持ちで向き合っていきたいですし、本物の表現者になっていきたいです。新しい世代として、新しい時代の中で筆頭となって、ずばぬけて影響力のある人間になりたいです。

吉野 いい意味で変わらず、人に喜んでもらったり、活力にしてもらったりということを、どんどん発信していきたいです。大変なことも多いですが、やっぱり歌が好き。これしかないですし、これを逃すと一生後悔するというのは分かるので、その人生を貫き通したいと思っています。

お互い、将来どんな男になっているだろうか?

吉野 壱馬は口にしたことは現実にしていくので、影響力のある人になっていると思います。今回の作品も、パフォーマンスも、かなえたいことに対する熱量とか、芯があってすごいと思います。

川村 北人はソロでホールツアーをやってそうですよね。規模の大きさではなく、ファンに寄り添う感じで、バラードとか歌って…。温かい空間を作り出す人になっていると思います。

お互い照れながらも、うなずき合う姿まで、息がピッタリだった。

▼映画「HiGH&LOW THE WORST」で共演の俳優山田裕貴(29)

北人は一見シャイだったり、撮影中に緊張しているのかなと見受けられる場面もありましたが、その立ち姿であったり雰囲気に風格やオーラを感じました。今は僕から見るとかわいいなぁ、という印象が強いですが、年を重ねていろんな経験をして、もっともっと良い男になるんじゃないかと思います。飲みの席で話した時には芯のある男だと感じました。壱馬は関わっていくうちにそのおとこ気や真っすぐさにとても魅力を感じました。個人的に趣味が合ったり、知れば知るほど好きになる男。これからも頼ってほしいし、いろいろな話を聞きたいなと思います。また一緒に作品ができることを願ってます。

◆吉野北人(よしの・ほくと)

1997年(平9)3月6日、宮崎県生まれ。14年4月に「ボーカルバトルオーディション4」に合格し、THE RAMPAGEのボーカルに。マイブームは子犬の動画を見たり、ペットショップに行って犬を見たりすること。特技はバスケ。A型。170センチ。

◆川村壱馬(かわむら・かずま)

1997年(平9)1月7日、大阪府生まれ。14年4月に「ボーカルバトルオーディション4」で合格し、THE RAMPAGEのボーカルに。吉野とともに昨年、「PRINCE OF LEGEND」シリーズで俳優デビュー。趣味は読書、漫画、ゲーム。B型。170センチ。

◆「HiGH&LOW THE WORST」

スピンオフ作含め映画5作品の累計観客動員が450万人、興収65億円を超える「HiGH&LOW」シリーズの最新作で、高橋ヒロシ氏原作の人気漫画「クローズ」「WORST」とのコラボ作。10月4日公開。

【大友陽平】(2019年9月29日本紙掲載)