石原さとみが主演を務めるテレビ朝日系ドラマ「Destiny」。“20年の時をかけるサスペンス×ラブストーリー”とうたい、5月25日現在、7話まで放送終了。物語は大学時代の「ある人物」の死からはじまり、12年の時を経て再び真相解明へと動き出す。コピーで20年となっているのはさらにさかのぼること8年、石原さとみ演じる奏(かなで)の父親の死からすでに始まっていた。
緊張感ある描写や劇的な展開もだが、いい意味でとにかく回想シーンが多い。3歩進んで2歩下がる。現在パートから過去パート、さらに過去パートと振り返りのごとく何度も再現される。“いい意味”でと書いたが、映像や音楽がうまくマッチし、時折MVを見ている感覚にもなり、新しいドラマのカタチなのでは注目している。
そこで今回紹介したいのはドラマに出演している、田中みな実(37)。過去パートである奏の大学時代の同級生を演じる。ある事情により現代パートには出演しないが、回想シーンが多いこともあり毎週クレジットにはしっかりと記載されている。放送当初、大学生役は?との反応があったが石原はじめ、亀梨和也、宮澤エマ、矢本悠馬が現在パートも演じているため、1人割を食った感はある。本人のキャラに近いのか個人的にはそこまで気にはならず、むしろ好演していると言っていい。
改めて、田中みな実、元TBSアナウンサー。アナウンサー時代はぶりっ子キャラがハマり、局の看板アナであったが、いつの間にかフリーになり、そして女優の道へ。ドラマ「M 愛すべき人がいて」で癖のあるキャラを演じていて、よくあるにぎやかし枠かと思いきや、ドラマ「最愛」では自身のキャラと違い、やさぐれ感あるフリーライター役を好演し、俳優に対する本気度を感じた。
芸人やアーティストからの俳優への転身はよく聞くが、アナウンサー出身でここまで作品を重ねているのは野際陽子さんぐらいではなかろうか。同年代のキャリアを重ねてきた俳優と比べても遜色ない演技を魅せている。アナウンサー時代からすでに演じていたと言われれば納得感も出るが、時折魅せるその表情は本格女優のまさにそれである。実はこちらのほうが天職なのかもしれない。
7月クールのドラマ作品でも松岡茉優に次ぐ2番手にクレジットされている。次はどんな役をやってくれるのか、注目の俳優さんの1人です。(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画監督・谷健二の俳優研究所」)
◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。直近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」が公開。





