今年で31年目を迎えるフジテレビ「FNS27時間テレビ にほんのれきし」(9月9日午後6時半から)の制作発表で、総合司会のビートたけしさんが、進行のタッグを組む関ジャニ∞村上信五さんを評した言葉です。村上さんを3代将軍徳川家光に例え「一番つらい3代目くらいの立場でビシッと幕府の体制を作ってしまう感じ」と、タレント力を絶賛しました。

 実際、会見でのやりとりを見ていると、たけしさんの村上評も納得なんですよね。強烈なたけし節にいちいちひるまないのです。「そのうち『おい、ジャニー』って呼び付けるようになる」とちゃかされると「そんなことは言いませんけど」と爆笑しながら、「でも『ジャニーズの大看板になる』というところだけ抜粋して書いといてくださいね」と取材陣にアピール。所属タレントとして、たけしさんの“跡目ギャグ”は肝が冷えそうですが、悪いようにはしないはずのたけしさんを信じて、しっかり自分の持ち味を発揮していました。

 瞬発力のある相方に、たけしさんもアクセルを踏んで楽しそう。「マッチとヒガシに何かあったら犯人はこいつですから」などとボケまくり、村上さんも「犯人僕なんですか?」とボケ返し。村上さんといえば、日本テレビ「月曜から夜ふかし」でマツコ・デラックスさん相手に抜群のトーク力を発揮し、テレビ東京「ありえへん∞世界」では美輪明宏さんと共演しています。猛獣使いの達人というか、大物にのまれない明るさとバランス感覚があって、たけしさんとも見るからにいいコンビになっていました。

 目標視聴率はなんと35%。「私はTBS日曜8時のゴールデンで3・8%という記録を持っていますからね」(たけし)「それ、低い方でしょ」(村上)というやりとりもありましたが、昨年の27時間テレビが記録した最低視聴率7・7%は超えなければなりません。お笑いに特化した生放送から一新し、今回は縄文時代から平成まで、27時間かけて日本の歴史をエンタメ化する趣向。バカリズム脚本の戦国ドラマ、幕末ドラマや、「村上信五とスポーツの神様たち」「池上彰が見たたけしと戦後ニッポン」など、さまざまな企画がラインアップされています。

 取材歴からのざっくりした個人的見解ですが、バラエティー番組の場合、PR会見の雰囲気は番組にも直結しがち。目の前の取材席がどかんどかん沸くコンビネーションなら番組も長続きしている印象ですし、盛り下がっていたり空回りしている時は、番組もパッとしないまま終わってしまう印象です。たけしさんが3・8%を出したという5年前の「TBS日曜8時のゴールデン」の時は、スタッフと共演者がたけしさんをリスペクトしすぎて、会見が金縛りムードで行われたのを覚えています。

 会見が盛り上がれば番組も成功、という単純な話ではありませんが、会見で伝わるコンビネーションは視聴者にも伝わるもの。そう考えると、息の合ったたけし&村上コンビの挑戦が面白そうに見えるのも事実です。少なくとも、7・7%は軽く超えていただくよう、期待しています。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)