元ビートルズのポール・マッカートニー(72)の公演が28日、東京・北の丸公園の日本武道館で開かれ、場内を埋めた約1万人のファンを沸かせた。ポールが日本武道館のステージに立つのは、故ジョン・レノンさんらと出演した1966年のビートルズ来日公演以来で49年ぶり。

 ポールは、オープニングでビートルズのヒット曲「キャント・バイ・ミー・ラブ」を歌い終えると、「コンバンワ、トーキョー」と日本語であいさつ。

 1曲歌い終えるごとに地響きのような大歓声が上がり、ポールは「サンキュー、ありがとう。久しぶり、ブドーカン」と応えた。

 66年にも演奏した「ペイパーバック・ライター」のほか、「オール・マイ・ラビング」や「ワン・アフター・909」なども披露した。

 ポールは昨年5月に日本武道館で公演する予定だったが、来日後に体調が悪化して中止になっていた。ビートルズの元メンバーでは、リンゴ・スター(74)が89年と95年に日本武道館でライブをしている。

 歴史的な公演を待ち切れず、日本武道館には開場前から多くのファンが集まった。仕事を休んで駆けつけたという茨城県境町の自営業間瀬敏男さん(64)は「高校1年のとき、ビートルズの演奏を客席で見た。あのとき聞いた曲をぜひやってほしい」と興奮気味に話していた。